介護業界で働く前に読むブログ

介護に正解はない、あるのは関係者各位の合意のみ

【キラキラ系介護士】それって単に現場経験が未熟なだけじゃないの?

キラキラ系介護士のイメージ画

先日、「キラキラ系 介護士」についてツイートしたところ、思わぬ反響があったため記事にしてみました。

 

私自身、恥ずかしながらこの業界に10年以上もいながら、Twitterをするまでキラキラ系介護士というものの存在をまったくもって知りませんでした。汗

 

「キラキラ系介護士」の定義

Twitterを始めるようになって、チラホラとそれっぽい言葉は見聞きするなーと思ってはいましたが、当初は何となく大学や専門学校を卒業したばかりの、ウイウイしい新卒の介護士のことを、嫉妬や嘲笑で言ってるのかと本気で思っておりました。

 

どうも、そうではないらしい。

ブログや人によって定義は様々ですが、検索をかけてみると大体は以下のようになろうかと思います。

  • 現実を知らない理想主義者
  • 自己犠牲をするのが大好き
  • 倫理観、福祉感を押しつけてくる
  • 介護はお金を稼ぐ仕事じゃないと思ってる
  • 昔に比べキラキラの生息数は減っている

何だか、かつて私が面接を受けて不採用になった「ワタミの介護」が、当時推進していた価値観のような気がします。(今となってはもうない会社)

 

そしてそんな彼らが職場にいようものなら、他のキラキラしてないスタッフから「比べられて迷惑」とか、「チーム・ケアできない」とか、ブログやTwitterから非難の声が上がりまくっています。

「キラキラ系介護士」が生まれる背景

キラキラしてしまう原因は本人の資質によるところが大きいのでしょうが、自分は彼らの背景が少し気になります。

つまり、なぜそうまでして自己犠牲をするのか?

認めてもらいたいからか?

正論が気持ちいいから?

承認欲求が強いのか?

恵まれた環境で育ったため自己犠牲する余裕がある?

愛を十分に受けなかったのでかまって欲しいだけ?

「キラキラ系介護士は迷惑ッ」とか思う前に、周りにあまりいないせいか、そんなことを考えてしまいます。

 

あと、こういう指摘は誰もしていなかったのですが、事業所の理念なども大きく関係しているような気がします。

2000年代、他業種がこぞって介護業界にやってきた時期に、上記の「ワタミの介護」のような経営理念を、多くの事業者もまた、掲げていたと記憶しております。 

近年になり、それこそ理想だけでは運営はできないと、各事業者も気づいたため「福祉の精神を第一に!」みたいなことは大々的に言わなくなってしまいましたが、当時は会社都合で、安くそして質の高い労働力確保のために、キラキラ介護士を育成していた面は大いにあると考えます。

 

そういえば入社当時、私も介護技術や知識よりも、まずは「福祉の精神」が大切とか何とか、社内研修で言われたような言われなかったような気がします。

いま思えば、その講師もどんだけ現場経験があるか怪しいものです。

 

現実はそう上手くはいきません。

「これからは介護の時代だッ!」とか言って、何の勝算もなしに頭悪く参入してきた他業種系の有料老人ホームは、その後、介護保険の報酬改定の度に、倒産、合併、吸収など淘汰されていきました。

キラキラ系介護士の数も、それに比例して減っているのでしょう。

 

時代の変化とともに、理念だけでは誰も付い来ず、"働き方改革"や"処遇改善加算"など具体的な取り組みを行っている会社しか、もう今後は残らなくなっていくはずです。

「キラキラ系介護士」の活用方法

今となっては、それほど見かけなくなってしまったキラキラ系介護士、せっかくなのでディスるだけじゃなく、介護現場の戦力として活用する方法を提案いたします。

 

その1、支援困難事例など面倒な仕事をふる

セクハラやパワハラ、クレーマーに近いような大変な利用者さんを中心に、キラキラ介護士には対応してもらいましょう。

居室担当などになってもらへば、彼らが求めている成長の機会にもなりますし、やりがいはとても大きいです。

 

その2、シフトを代わっもらう

お盆や年末年始は、誰もが休みたいところ。そういう時こそ、我らがキラキラ系介護士の出番です。

率先して、年越し夜勤や、お正月を職場で過ごしてもらいましょう。

高齢者の笑顔のため、何よりも大好きな「ありがとう」を新年で一番早くもらうため、働いてもらってはいかがでしょう。

さいごに

そうは言ってもキラキラ系介護士って、ただ単に、介護の現場経験が少ないだけのように私には見えるんですが、違うんでしょうか?

それこそ、様々な利用者・入居者の対応を重ね、例えば昼夜逆転した認知症の相手を一晩中してみるとか、例えば移乗介助を連続でやって椎間板ヘルニアになってみるとか、はたまた、不穏な高齢者にウンコを投げつけられたりしてみれば、介護の理想と現実をわきまえて、晴れて歴戦の猛者として、正しくこの業界で成長するのではないでしょうか。

 

どこも人員不足なのですから、仲良く、そして上手く、キラキラ系介護士を活用しながら現場を回していきたいものです。

以上、おわり。

サルでもわかる介護保険|今さら聞けない制度につて分かりやすく解説

介護保険の仕組みを知っている猿

どうも、介護福祉士のまちかです! 

 

介護保険の制度って、普段、馴染みのない人からしたら分かりにくいですよね。

例えば高齢じゃなくても、40歳を過ぎれば誰にでも関係あることなんですけど、よく理解していない人、実はかなり多いんじゃないでしょか?

 

今さら人には聞けない「介護保険」について、今回はどこより分かりやすく解説していきたいと思います。

 

介護が必要になった人へ支給される保険

介護保険とは、一言でいえば「介護が必要になった人にだけ下りる保険」ってことです。

65歳以上で身体が不自由になったとか、認知症になったとか、もしくは40歳以上で特別な障害(16種類の特定疾病と呼ばれる障害を持つようになったとかが条件になります。

 

医療保険と比較してイメージしてもらえば、より分かりやすいと思います。

医療保険って病院にかかった時、保険証さえ持って行けば、かかった料金の3割とかで済みますよね。それと同じで、基本的には介護にかかった費用の1割で済みます。

お得でしょ。

 

リハビリに行ったー、お風呂手伝ってもらったー、食事手伝ってもらったー、掃除してくれたー、などなど。

そうやってヘルパーさんに手伝ってもらった費用の1割しか、支払わなくていいんです。

ただし収入が多い人は、2~3割になります。

限度額があるんで、無限に負担してくれる訳じゃないですけど、介護の段階に応じて保険が支給されるって寸法です。

支給される金額は各市町村が決める

介護保険を使いたいと思ったときは、まず住んでいる市町村の役所に行ってください。「介護保険申請窓口」ってのがあるんで、そこで申請ができます。

その際に「介護保険被保険者証」の提示が必要になってきます。

通常、介護保険料をちゃんと収めている人なら、住んでいる市区町村から、何も言わなくても65歳の誕生日までに保険者証が届くようになっています。介護保険を使おうが使うまいが、そういう仕組みなんです。

 

んで、手続きが取れたら、後日「認定調査員」という程度を調べる人が来てくれます。

どれぐらいの世話が必要なのか?

認知症があるのか?

障害の程度は?

その場で調べてくれ、これらの情報を元に市町村が判定を下します。(正確には各市町村に設置された「介護認定審査会」という組織)

 

「あなたは、とても世話がかかるようだから月20万円までなら支給すします」とか、「あなたは、割と自分で何でも出来るみたいだから月5万円までですね」とか。

その程度を要介護要支援と呼び、全部で七段階もあるんです。

詳しくはこちらで説明しています。

要介護とは?|介護の程度を1~5に分けることができます

要支援とは?|支援の程度を1~2に分けることができます

 

要支援1<要支援2<要介護1<要介護2<要介護3<要介護4<要介護5

の順で重度になっていきます。

40歳になったら全員加入させられる

まっとうな会社なら、給料から自動で社会保険料がさっぴかれ、手取りだけが振り込まれると思います。年金とか、健康保険料とか、雇用保険料とかってやつです。

40歳になると、さらに介護保険料ってのが追加されます。

んでこれを元に、介護保険が高齢者に支払われるんです。

 

まぁ中には収めていない人もいるため、そういった人には収めていないなりのペナルティーがあったりします。

税金はちゃんと払いましょう。

2000年に出来たばかりの新しい仕組み

他の保険制度に比べ、介護保険はまだ新しい制度です。

以下は、それぞれの社会保険制度が設立した年度になります。

 1947年 労災保険制度

 1958年 国民健康保険制度

 1961年 国民年金制度

 1974年 雇用保険制度

 2000年 介護保険制度

 

各時代、各時代に、社会背景として課題のようなものがあったんでしょう。

戦後、国民の健康維持・増進を図るために健康保険制度ができたり、オイルショックによる失業率の悪化から雇用保険制度ができたり。

そして少子高齢化社会を迎えて、介護保険制度が設立したんです。

時代の流れです、必然ですね。

 

以上、サルでも分かる介護保険制度の説明でした。

おわり。

 

「教えるのが苦手」を克服する方法、教えます

教師と生徒

こんにちは、介護福祉士のまちかです。

春になり、皆さんの職場にも新しいスタッフが入られたのではないでしょうか。

私のところでも毎年この時期になると、新卒者が本社研修を終え、各事業所へ配属されます。社会人になっての最初の第一歩を、介護業界にするだなんて本当に頭が下がる想いです。

 

この業界は人手不足もあってか、そこそこ経験を積むと、すぐに教育係をやらされることも多いです。自分でケアするのとは違い、人に教えるのってなかなか大変なものです。

私も年上の未経験者が入社してきた時などは、特に戸惑いました。

今回は「教え方のコツ」紹介いたします。是非、苦手な方は参考にしてみてくださいね。

コツ1、まずは信頼関係を作ることから

コーチングの教科書では、すべては信頼関係の上に成り立つと書いてあります。

「仕事なんて見て盗むもんだ!」と威圧的な親方と、「同じ事、遠慮せず何度も聞いてくださいね」と物腰の柔らかい先生。あなたならどちらに付きたいですか?

生徒から見た場合、気軽に話しかけられない関係って相当のストレスです。介護自体がストレスなのに、教える、教わるの関係だけで疲れてしまっては話になりません。

ぶっちゃけ、介護の仕事は後でも教えられます。ですが関係性の構築は最初が肝心です。

 

別にこの業界に限らずですが、人間関係が嫌で仕事を辞める人は非常に多いです。まずは雑談などをして、場を和ませることに専念してください。親近感を持ってもらったほうが、ゆくゆくはやりやすくなります。

  • どこから通ってるんですか
  • 最初はドキドキしますよね
  • 大丈夫ですか、疲れたんじゃないですか
  • 自分が新人だった頃はこんな感じでしたよ

挨拶だってこちらかしましょう。

なぜそうまでして、新人に気を遣わなければならないか?

新人が正しく成長してくれれば、後は黙ってても、師匠のために仕事を手伝ってくれます。学びやすい環境を提供するのも、教える側の役目です。

貴重な芽を摘むような行為、もしくは職場環境になっていませんか。

コツ2、徹底して相手の立ち場で教える

一口に新人といっても、彼ら彼女らの人間的な背景は様々です。

先月まで学生だった新卒から、経験豊富な派遣さんまで、それこそ、場合によっては自分より業界歴が長い人に対してまで教えなくちゃならないときだってあります。

そんな相手をひとくくりにせず、それぞれの経験値に合わせた教え方をしていきたいものです。

 

以前に介護をやったことがあるのか、日常的に高齢者と関わりはあるのか、何でもいいので相手がどんな人間なのか、まずはコミュニケーションを取っていくのが第一歩です。

ポイントは、何が分かっていて、何が分かっていないかをしっかり把握することです。一方的にこちらだけが話さず、相手の理解を待ってすべては進みます。

入居者や利用者の顔を名前を覚えていない段階で、介護技術まで詰め込んでしまってもいいのか、教わる側の気持ちにもなってみてください。

それは大切な業務ではあるけれども、相手の目線に立った場合、まだ教えるのは早くありませんか?

コツ3、感覚的ではなく具体的に教える

スポーツなどでよく見られる現象ですが、プレイヤーとして優秀な人ほど、コーチとしては向いてなかったりします。

「ビューンときたボールを、バシッと打ち返すんだよ」

天才ならピンと来るんでしょうけど、凡人には何を言っているのかさっぱりです。笑

 

介護に置き換えてみます。

例えば全介助が必要な利用者の移乗、トランスなどを想像してみてください。

「今からやるから見て覚えて」と利用者の身体を抱え、グイッと勢いをつけて、車イスのほうへ移動したとします。

「はい、じゃあ同じようにやってみて」では、大抵の場合、同じようにできません。

もっと具体的に指示してください。

「この方、麻痺はあるけど、ちゃんと足を着けば踏ん張れるから。そこを軸にして、車イスのほうへ身体を回してねー。抱えるときは、真上に持ち上げると言うよりも、手前に引くようなイメージで力をかけるとバランスが取れるから」など。

横や後ろから見て、どこに手足を持っていけばスムーズに行えるか、その場で質疑応答を混ぜながら、身体の使い方、力の入れ方を教えていきます。

 

教えるのが苦手、嫌いといった人は、日々のケアを感覚的にやってる傾向があります。主な原因は、自らの行動を言語化して説明できないところにあります。すべてを言葉にできないなら、大事なポイントを伝えるだけでも、教わる側としては助かります。

あとはその際に注意してもらいたいのが、あまり専門用語を多様しないことです。

すでに介護経験がある人なら大丈夫でしょうが、普通、"更衣"や"移乗"って言葉、日常会話じゃ使わないですよね。覚えることをシンプルにするため、始めは控えたほうが無難です。

コツ4、ミスをしても絶対に怒らない

新人なのだからミスをしても当たり前です。なぜそれがマズいのかを説明すれば充分です。

怒るとあの人に怒られたから、やろう、やめようになります。

じゃあ、あの人がいない日はやってもいいのか?

そういう訳じゃないですよね。説明し、理解してもらい、納得したうえで日々の業務を行ってもらうのが理想的です。

 

また、明らかなミスとまではいかなくても、新人が行った行為は、ついつい気になるものです。あなたが経験豊富なら、なおさら至らない点が目に付いてしまいます。

その際は、ただちに事故やクレームに繋がらないような些細なものなら、本人が自分で気づくまで放置するのも手です。好意的に育ててく過程で、それとなく気づかせてあげるのも教育です。

この「気づき」、介護士にとって成長するうえで欠かせない要素でしょ。

後々、高齢者に対するケアでも必要になっていくスキルなのですから伸ばすいい機会です。

そして、一人立ちしたからといっても放置せず、仲間なのですから継続的にその後も見守っていきましょう。

おわりに

私の職場では、新人には専用のファイルを渡します。

中には時間割りのようなものが入っており、業務終了の少し前ぐらいには上がってもらい、今日の出来事を軽く書いてもらいます。

毎日1ページづつ、その日、誰と何をやったのかを記入欄に沿って埋めていきます。さらに下のほうには、担当者と新人が1~2行のコメントが書けるスペースがあり、本人の振り返りを書くことができます。

毎回、同じ教育係が付くことができれば新人の成長を把握しやすいですが、シフトの関係でそうも言ってられないのが現状です。このノートを使って、ちょっとした交換日記をしてもらい、教える側、教えられる側の情報交換を行うのです。

 

親が子育てをする過程で、逆に親も育てられます。

忍耐強くなったり、自分がちゃんとしなくちゃと向上心が持てたり、それこそ我が子の未来を想像して社会問題に関心が出てきたりと、人は人を育てていく過程で自身もまた成長していきます。

教育係を任せられるということは、厄介ごとを押し付けられたのではなく、成長する段階にきたんだと考えるのが正解です。

効率よく、次から次へと新人が一人立ちしていってくれれば、巡り巡ってあなたの仕事も減ります。

 

常に人手不足の介護業界、一人でも多くの経験者が育つことを願います。

 

派遣は麻薬と一緒で、使えば使うほど蝕んでいく、、

ドラッグを辞めたい男

こんばんは、介護福祉士のまちかです。

結構、Twitterのほうで反響があったみなので、こちらのタイトルで記事を書いてみたいと思います。

始めに断っておきますと、別に派遣として働くのがダメ! とか、他人の働き方を否定している訳ではありません。人それぞれ事情はありますし、そういった事情に沿った形で、当然雇用形態も様々あるべきだと考えます。

 

私自身、現在は派遣介護士ではないのですが、前職の時代、派遣社員だった経験はあります。

当時と今とでは派遣に対する考え方や、社会の雰囲気、はたまた法律自体も随分と様変わりしてきたようです。

あの頃に比べれば、今はとても恵まれていますね。

一時期、派遣社員の待遇が社会問題になったことから、その揺り戻しで手厚くなったのでしょう。ボーナスがない分、時給は高額だし、有給の消化率が100%って言うのも正直羨ましいです。


一緒に働いている派遣さんに、日頃から詳しい情報などを聞いて、いざとなればと、内心では考えていたりもします。笑

 

契約更新がある分、そりゃ普通は真面目に働くよね

現場で教育係を中心にやっていた時代は、派遣、新卒、中途などを問わず、色々な新人さんと関わってきました。

一定期間、OJT(On-the-Job-Training)として必ず付くんですが、やはり派遣の方が一番飲み込みが早かった印象があります。

高いお金払って来てもらってるんだから、当たり前っちゃ当たり前ですが”一人立ち”までの期間もダントツで短かったです。
普通、経験があれば「そのやり方ってどうなの?」と、疑問に感じる場面も多々あると思います。

ですが、それでもそウチのやり方に合わせてくれて、一早く対応してくれていました。

 

実際、私が現場で一緒に働いている派遣さんは、ほとんどが真面目です。

やはり一定期間での契約更新が大きいのでしょう。そこはかとない緊張感があるせいで、勤務態度は当然真面目になります。
むしろ、本来はお手本にならなければいけない立場の正社員が、勤務態度は悪かったりもします。

入居者との付き合いが長く、また雇用自体も守られているので、ケアが雑だったり、もしくは馴れ馴れしかったりする始末です。

 

サービス業に架される課された使命

じゃあ、社員全員を派遣や契約社員にすれば、すべて丸く収まるじゃんか!
って言えば簡単ですが、事はそんなに単純ではありません。

例えば、何かプロジェクト単位で仕事をしている場合、必要な人員や技術者を集め、計画が完了したら解散するような働き方なら、なるほど向いているでしょう。
ですがサービス業の場合、特定の顧客に長期間、満足させるようなサービスを提供することが前提です。

繰り返し同じ客にサービスを利用してもらえれば、わざわざ費用をかけて新たに広告を打たなくても済みますし、スタッフも同じであれば、効率も上がり短時間で多くの仕事をこなせます。

要領を得ていれば事故やクレームだって減ります。
そうやって少ない人件費で、いかに収益を上げるか、それがサービス業に課された使命、そのための常勤社員なのです。

 

ただし顧客満足度を上げれば、多少割高のサービスでも、顧客は喜んで買います。

ディズニーランドやUSJなどの遊園地が、いい例ではないでしょうか。

これを介護に置き換えれば、

  1. ある程度の信頼関係があり
  2. 長年見知っているヘルパーが提供するサービス

 

なら、利用者やその家族は安心して繰り返し利用することができます。

何んだったら事業所も、介護保険を使用しないサービスまで営業しやすいんです。

現場としては長く働いてくれるなら、別に派遣でも何でも大歓迎ですけど

派遣は常勤や非常勤と違って、近い将来いなくなる存在です。
そういった彼ら彼女らに甘えて、頼ってばかりいると、現場に知識や経験、技術といったものが蓄積していきません。

以前はこういう対応で落ち着いてくれたとか、去年の今頃も似た症状が診られたなんて、それなりに長い期間現場に携わった先輩からしか聞けない情報じゃないですか。
長期間働いているスタッフが多ければ多いほど、何かイレギュラーな出来事が起こった時に対処しやすいのは、別に介護じゃなくたって簡単に想像付きますよね。

 

介護度が非常に重く、対応方法がほぼ決まっていたり、もしくは余命が僅かで、派遣の契約期間が先か、寿命が先か、といった入居者に対してなら有効かもしれません。

ですが、よく区分変更するような中程度の介護度だったり、認知症の症状を緩和するために薬剤で治療中とか、こっちのほうがメインじゃないでしょうか。

長期で看る必要、ありますよね。

雇わざるを得ない状況はこの先も続く

繰り返しますが、決して派遣がダメ!とか言っている訳じゃありません。
普通に社員の募集広告を出しても、なかなか求人が集まらないのも知ってますし、事実この先も雇わざるを得ない状況が続くと考えています。

でも、理想的な比率でいうと、全体の10~20%がせいぜいじゃないでしょうか。スタッフ10人の事業所なら2人まで。これが30%以上になってくると、かなり人件費を圧迫するはずです。

 

あと経費とは別に、現場レベルで負担となってくるのがチームワークの問題。

同じ派遣さんが1年も2年も、同一の事業所で働いてくれるなら経営的には負担なんでしょうが、現場的には大歓迎です。利用者のこと、よく分かって下さってるんですから。
ですが、短期間でころころ変わってもらっては、一緒に働く方としても相当負担です。

いくら一人立ちしても、しばらくは細かいところでフォローに入らなくてはならず、数か月おきでまた新たに派遣社員がきたりすると、延々とその繰り返しをすることになります。

派遣として働くメリット、デメリット

一方で介護士個人から見た場合、派遣といった働き方、実際はどうなのでしょうか。

待遇の悪い事業所が多いせいで、派遣になった人もいると思いますが、時給タカーイ、責任ウスーイ、自由にヤスメール、色んな経験ツメールとか、、

本当に良い事ばかりなのでしょうか。同一の法人で就業経験を積まないと見えてこない世界あるはずです。

 

例えば長期間、常勤社員として一定の相手を看ていると、利用者によっては認知症の症状が進んだり、脳梗塞を起こし麻痺を患ったり、それこそ亡くなったたりと、人生の節目に立ち会います。
その過程で、「あの人は前から歌が好きだったから、認知症ケアに音楽を取り入れてみよう」とか、「麻痺にはなったけど性格的にプライドが許さないから、介助は必要最低限にしよう」とか、そういった発想が生まれてきますよね。

もっと言えば、最終的にエンゼルケアをしたとしても、短期間関わっただけではただの作業にならないでしょうか?

 

それなりに見知った人間が、老いたり病んだりして人生の終焉を向かえる。

そこに立ち会えるのが、この仕事の醍醐味だったりもします。表現としては少し不謹慎ですが、そういった面白みを味わえるのは、長期間関わったからからこそです。

 

派遣として高い時給を求めて、3ヶ月や6ヶ月で転々とするのは、介護士としての成長を考えた場合、近視眼的だと思います。

終身雇用は過去の産物ではありますが、それでも5~10年程度は腰を落ち着けて同じ高齢者と向き合ったほうが、長期的に見た場合、得るものは大きいはずです。

終わりに

一言でいっていまえば、「派遣社員の多用はマネジメント側の甘え」手抜きです。

本来なら自前で未成熟な職員に対しては教育を、既存の職員には定着するような試みを、計画的に実施しなければいけません。

それを手っ取り早く、頭数揃えるために金で人を買ってるわけですから、いずれそのツケは支払わなければならないでしょう。

派遣社員さんは即戦力として頼りにはなりますが、所詮、一時しのぎです。使えば使うほど、事業所は人件費がかさみ自ら首を絞めていきます。


どうしたらいいのか。

常勤が長い間、働きたくなるような雇用環境を作るのはもちろんです。

その上で、紹介予定派遣のような制度を利用し、始めは派遣扱いとして働いても、その後現場が気に入れば常勤として働き続けるといった仕組みに対し、もっとインセンティブを付けたらどうでしょう。

 

麻薬だって、手術や緩和ケアをするためには必要なツールです。使い方さえ誤らなければ、効果的な利益をもたらせてくれます。
派遣さんとも上手く付き合っていければ、事業所だって成長できるはずです。

以上、おわり。

【ケアマネ試験】ズバリ、受かる勉強方法を教えます

ケアマネ試験の勉強

こんにちは、介護福祉士のまちかです。

ケアマネ試験って難しいですよね。近年の合格率でいうと2016年13%、2017年21%、2018年10%、と年々難しくなっているイメージです。

ここでは私が合格した際に行った勉強方法を、ご紹介したいと思います。難しい試験とはいえ、しっかりと計画を立てて学習すれば突破できる試験でもあります。

 

試験内容は「介護支援分野」25問、「保健医療福祉サービス分野」35問の、計60問からなります。正解率が70%以上ないと合格できないと言われているので、以下の点数が一つのボーダーラインと考えます。

「介護支援分野」 15点/25問中

「保健医療福祉サービス分野」 25点/35問中

 

私が実際に勉強した中で一番感じたことは、学習そのものよりもどうやってモチベーションを維持させるかや、または学習時間を捻出するか、そういった周辺の問題のほうが大きかったように記憶してます。

勉強内容とからめて、そんな周辺課題の解決方法もお教えいたします。

闇雲に勉強しない

ケアマネ試験の出題範囲は広いです。建前上「介護支援専門員基本テキスト 全3巻」が出題範囲となっていますが、膨大なページ数がある上に、テキスト以外からもシレッと出たりします。

働きながら勉強する人がほとんどだと思いますので、効率よく学習していきたいものです。

 

そもそもケアマネというお仕事自体、他人の介護計画を作るのが主な業務です。自身の学習計画ぐらい立てられないようでは、初めから門前払いとでも試験主催者は言いたいのでしょう。

問題集をただ片っ端から解いているだけでは、いつまで経っても受かりません。

まずは以下の方法に従って、自分の時間や労力を「選択と集中」させる必要があります。

1、去年の過去問をやる

2、今の自分のレベルを知る

3、苦手な分野、分からない所を見つける

4、様々な教材を使いそこを集中的にやる

  (ほぼここが80%)

5、再度、過去問をやる

 

頭の中で良いですので、具体的に行う日にちを決めてください。

数か月間かけて、この1~5を繰り返し行います。過去5年間分の過去問題を使い、ほぼ満点を取ることが出来れば、合格ラインまではあと一歩といったところです。

前提資格 以外に時間をかける

ケアマネ試験を受けるには、前提となる国家資格が必要です。

「介護福祉士」経由

「社会福祉士」経由

「看護師」「薬剤師」経由

といった具合に、各自専門としている分野があるはずです。

私の場合、「介護支援分野」の"地域支援事業"や、"地域包括センター"といった分野が苦手でした。これは仕事柄、同じ福祉の分野でもそれまで全く携わったことがなく、出てくる言葉、出てくる言葉、初耳だったためです。

そのため、この介護支援に多くの時間をついやしました。

 

もしこれが「社会福祉士」経由で受験だったとすると、日頃から地域支援の相談業務を行っていたり、もしくは地域包括センターの委託先などで働いている可能性もあるので、試験勉強の部分が変わってきたと思います。

私は保険や医療サービスといった分野は、普段やっている仕事の延長線でもあったことから、あまり勉強はしませんでしたが、逆に「社会福祉士」経由だと馴染みが薄かったはずです。

「看護師」経由や「薬剤師」経由でケアマネ試験を受ける場合も同様です。

結局どの資格から来ても、手付かずの分野にぶち当たるわけですから、そこを克服しなければ合格は程遠いのです。

 

多くの人は「介護福祉士」経由で受験するので、私のパターンが一番参考になるのではないでしょうか。

できるだけ記憶ではなく、理解で覚える

「勉強したそばから忘れていく、、、」

久々に試験勉強をする人は、こういったお悩みも多いのではないでしょうか。記憶力の良い10代ならともかく、ケアマネ試験の主な受験者は30~50代です。

決して丸暗記だけで突破できるほど、甘くはない試験ではありますが、覚えが良いに越したことはありません。

 

勉強したはずなのにすぐに忘れてしまう原因は、「解答を見て分かった気分になっただけ」だからです。なぜその解答になったのか、そもそも根底から理解していない場合が多いのです

解答に付いている解説を読むのは当然ですが、分からない単語があれば調べますし、なぜそうなったのか背景的な事情までストーリーにして理解すれば、一度忘れたとしても答えを想像することすら可能です。

 

例えば以下のような問題があります。

介護支援専門員試験  2016年

第21問

利用定員が10人を超える指定通所介護事業者が、置かなければならない従業者として正しものはどれか。3つ選べ。

  1. 看護職員
  2. 健康運動指導士
  3. 生活相談員
  4. 栄養士
  5. 機能訓練指導員

正解は1、3、5です。

なぜ看護職員、生活相談員、機能訓練指導員が正解なのか、解説を読んでしっかり理解する必要があります。

これらの従業者を置かなければならない理由や背景、例えば行政からの指定を取るためとか、デイはそもそも何をやるところなのかとか、突っ込んで考えることができれば、似たような問題が初見できたとしても応用が効きます。

今回はデイ(通所介護事業者)でしたが、これが特養、老健、訪問入浴、小規模多機能型、等々、他の事業所の「置かなければならない従業者」を答えろといった場合もあります。

 

あと注意してほしいのが、解説文が「法律の第何条に規定してあるから」と記述してあった場合です。参考書の手抜きです。

じゃあ、その法律の条文を全部覚えれますか?

気の利いた参考書は、併せて考え方、そうなった背景も記載してあります。

自分に合った勉強方法を見つける

ここからは学習時間の捻出方法や、モチベーションをいかに保つかといった話です。

私自身、途中で飽きてしまったり、面白いゲームなどに時間を奪われ、勉強がさっぱり進まないといった経験はよくあります。

そんな時は教材を変えてみたり、学習する場所を変えてみたりするのも手です。とにかく覚えたい事柄に対して、多角的にアプローチするのがポイントです。

 

教材

過去問、一問一答、単語帳

模擬テスト、通信教育

講習会、スマホアプリ

スクールで授業を受ける

問題集も出版社によって、問題のレベルが違ったり、解説が詳しかったり、またはそうでなかったりします。いろいろと味を変えて試してみると長続きします。

模擬テストも自宅と、実際に会場で受けるとでは全然雰囲気が違います。

あと地味ですが、単語帳を自作するのも手です。作っている過程で覚えます。

 

場所

自宅、仕事場、カフェ

図書館、車内、電車内

一人暮らしなら自宅でも集中できるんでしょうが、家族やペットなどがいる場合は、どこか外出先で学習時間を作ったほうが、遥かに効率は上がると思います。

最近では社会人向けの、24時間やってる自習部屋みたいなのもあったりしますので、利用してもいいかもです。

周囲にケアマネ受験すると宣言!

落ちたら恥ずかしいですが、一度公言してしまえば尻に火がついて、怠け者のあなたにはピッタリですw

上司や同僚に言っておけば、取り敢えず「こいつ自分より格上だなッ」と一目置かれるのは間違いないです。私の場合も、随分前から宣言していたので、受かる受からないに関わらず、周囲からは舐められなくなりました。

 

あと職場環境によるかもしれませんが、有給休暇も取りやすくなったり、日々の残業も断りやすくなったりも考えられます。勉強のための休みも取らしてくれないんだったら、仕事を辞める。そう言ってください。

まぁ実際に辞めなくてもいいですけど、それくらいの覚悟でいま勉強しているんだと、アピールになります。

そんな感じで、宣言したほうが後先引けず、自分を追い込めるので覚悟が決まります。

おわりに

ある程度、勉強が進んでいれば「あ、これと同じような問題文どっかで見たな」と途中で気づくと思います。そうなればしめたものです。

受験勉強を経験した人なら、この臨界点に心当たりがあるかもしれません。その回数が多ければ多いほど、記憶と問題集の答え合わせになり、勉強をしていても楽しくなってくると思います。

 

最早ケアマネ資格は、数年間かけて取り組むような試験となってしまいました。気長にマラソンをやるような気持ちで取り組んでいったらどうでしょうか。

私の提案した方法が、少しでも参考になってくれれば、これ幸いです。

【疑問】君はオバケを見たことがあるか?

かわいいお化けのフィギア

こんにちは、介護福祉士のまちかです。

 

たまに同僚なんかと話したりするんですが、長年この仕事をしていると、霊的なモノやオバケ的な何かに出会ったことないか、そんな話題になったります。

 

今回の疑問は「介護をしててオバケを見たことがあるか?」です。

一見、怖そうな話ですが、内容は全然怖くないので、別に苦手な人でも大丈夫だと思います!

いきなり結論

ないです。

以上。

 

 

 

 

笑。

稲川淳二じゃないんで持ちネタなんかないです(^^;

10年以上この仕事をしていますが、霊的な体験なんて本当1ミリもないです。私より業界歴が長い同僚に聞いても、大した話しは出てきませんでした。

老衰や末期ガン、事故死、はたまた自殺なんかも見てきましたが、一度とたりとも幽霊なんかは見たことがありません。

 

唯一、現場で一緒に働いているナースさんかが、かつて病棟勤務していた時代に、なぜか寒い病室が一室だけあって、そこに行くといつも体調が悪くなるって言ってましたけど、、、

 

エピソードとしては、弱いですww

誰もいない部屋からナースコール

ひねり出せば、誰もいない部屋からナースコールが鳴って、行ってみてもやはり誰もいなくてゾッとしったてことは何度か体験してます。(充分怖いやないかい)

でも、他の人のブログやTwitterを見ると、結構あるあるみたいです。

あと、誰も乗っていないエレベーターが上下に移動したりとか、連絡用のPHSが鳴りっぱなしで止められなくなった、とかもあるあるみたいです。私も心当たりあります。

心霊体験というか電子機器の異常ですね。

霊の仕業って言ってしまえばそれまでですが、電気機器は長いこと使ってれば内部のどこかが異常をきたしてもおかしくありません。

施設では日常的に人が亡くなってる訳ですし、それと結びつけて怪談話にしたくなるのも分かります。

 

ですが、ファミレスや居酒屋で定員さんを呼ぶボタンだって、よくよく聞いてみれば結構割合で誤作動しているんじゃないでしょうか。

出てきたところで知り合い

こうなると、むしろ出てきてほしいです。笑

ただ出てきたところで、散々介護した相手ですし、別に怖くないんじゃないかと思います。

自分らのやってきたケアがかったのか悪かったのか、最終的に亡くなったあとに本人から直接評価が聞けるんですから、最高じゃないですか。介護士冥利につきるってもんです。

そこで会いたくないって思うあなた、今まで後ろめたい介護をやってきたんじゃないでしょうか?

 

お墓の近くとか通って、知らない人の幽霊を見るから怖いんです。これまでお世話した相手で、それなりに関係性があり、真剣に向き合ったなら少しは親近感や情はありませんか。

あなた自身の亡くなったお爺さんや、お婆さんが出てきても、そんなに怖くないでしょ。

それに近いと思うんですが。

実際、出てきたら説教するけど 

そうはいっても新卒の二十歳そこそこの女の子が、介護士や看護師としてデビューして、夜勤が怖いとか、分からなくはないです。

まぁ半年もすれば、毎日忙しい現場で揉まれ、ツラの皮が厚くなり羞恥心の欠片もなくなってしまいますがw

 

仕事を手伝ってくれるならまだしも、ただでさえ人手不足が慢性化しているこの業界。

出てきて怖がらせようとか、そんなことでもしようものなら、幽霊に正座させて成仏するぐらいの説教してやりますよ。

「こっちは誰もやりたがらない仕事、己の人生かけて、本気で取り組んでんだぞ! 貴重な新戦力を怖がらせやがって。明日から来なくなったらどうすんだよッ。お前が寝たきりの人の深夜排泄を、毎晩、毎晩、代わりにやるんだな?!」

ってね。

おわりに

以上、介護施設でのオバケの話でした。

私としてはそんな心霊体験よりも、ろくに介護の現場を経験せずに、運営を行ってる経営者の神経のほうがよっぽど怖いです。

そんな事業所は早く監査でも何でも入って、業務停止命令を食らって、廃業してほしいもんです。

 

是非、ホスピスなどに勤務しているナースさんから、背筋も凍るエピソードとか聞いてみたいです。

以上、おわり。

ブラックな介護現場からは一刻も早く脱出しなければいけない理由

ブラックな職場の犬

皆さーん、ブラックな介護現場で働いてますか?

どうもw 介護福祉士のまちかです。

 

介護業界に限らずですけど、ブラックな現場って結構ありますよね。

私の回りでも、サービス残業が日常茶飯事だとか、お局が陰湿なイジメをしてくるとか、利用者のセクハラに何も対処してくれないとか、よく同業者からの悲鳴が聞こえてきます。

笑って許せる程度ならいいんですが、問題が深刻だと、腰痛を悪化させヘルニアになったり、うつやノイローゼなどのメンタルヘルスに関わってきたりします。

 

そんな想いをしないよう、今回は「ブラックな現場からは一刻も早く脱出しなければいけない理由」を書きます。

どーしよーかなー、今の職場辞めたいなーって人の背中、押しちゃいます。

理由1、心身ともに健康を害する

当たり前ですけど、長時間労働を強いられれば体調を崩します。虐待スレスレの介護をやらせるような所で働けば、神経をすり減らします。

そんな組織に、身を削ってまで貢献する意味なんてあるでしょうか。

生活のため?

転職活動が面倒?

どの職場も同じ?

 

介護職は専門職なので、資格さえあれば転職は容易です。

面接の際にちゃんと現場を見学させてもらえば、ある程度の雰囲気は分かります。ダメな施設は、入居者も働いている人も、眼が死んでいるものです。

 

健康あってこその、人生。

健康があってこそ、良い介護ができるってもんでしょ。

どこも人手不足で、介護職は引く手あまたの売り手市場です。ブラックだと思ったら、取り敢えず転職サイトに登録だけでもしてみてはいかがでしょうか。

理由2、正しい知識や技術が身に付かない

例えば徘徊する高齢者がいるとします。

倫理的、法律的には完全にアウトですが、縛るなり閉じ込めるなりすれば、対応は簡単に済みます。ですがその分、対応者の介護技術は伸びません。

なぜ徘徊しているのか?

何が気になるのか?

いつ頻繁になるのか?

 

簡単に見つかる答えではありませんが、介護職は対応している過程で、落ち着く方法を探ったり、食事や排泄のタイミングをはかったりします。

特に認知症の場合、近くにいてシグナルを読み取るのがケアの本質だったりします。

監禁したり放置したりでは、貴重なスキルアップのチャンスをみすみす逃しているようなものです。それを容認する現場も、良い現場とは言えません。

 

ブラックな現場ではよく高齢者をモノとして扱い、効率のみを優先させます。そしてそんな現場に長くいると、次第にあなたも疑問を抱かなくなってしまいます。

そう、面接などで訪れた人からは、眼が死んでいると思われる状態です。

時間さえかければ、必ず良い介護ができるというものでもないですが、何か問題があった場合に、様々なアプローチをさせてくれる現場がホワイトな現場じゃないでしょうか。

理由3、ヘタすると事件に巻き込まれる

違法スレスレの介護をやっていれば、いずれ捕まります。

 

よくニュースなどで虐待の話が取り上げられるでしょう。事件にならなくとも、家族などから訴訟されれば、企業のイメージに傷が付き、事業継続は困難になります。

古くはコムスン、近年ではワタミの介護、さらにはメッセージグループなどが業界から退場していきました。そういった流れは、今後も続くと思います。

全国展開をしているような大手企業でさえ、現場の声を聴かないような経営をしていれば、近い将来、組織ごと消えるんです。

「これからの時代、介護業界は伸びるー!」とか言って、何の勝算もなしに新規参入してきた他業種なんかは、軒並みやられている状態です。

 

結局、ブラックな現場で働いていると、あなた自身がその組織のやり方に賛同してようがしていまいが、外からは肯定しているように見えちゃうんです。

犯罪組織の片棒なんか担ぎたくないでしょ?

 

ブラック企業を倒産させるためにも、一刻も早く辞めてください。募集しても人が集まらないような所は、いずれ事業継続が困難になり自然淘汰されるでしょう。

おわりに

厄介なのが、ブラックな現場って、必ずしも給料が安いとは限らない点です。

入ったら現状が分かるんで、バンバン人は辞めていくんですが、その分なのか給料はむしろ良かったりします。

 

特に特養などは、行政から助成金をもらったり、税金を減免してもらったりしているので、資金的には有料老人ホームより余裕があったりします。

本来はそういったお金を、職場環境改善のために使うべきなんですが、経営者に問題意識が薄く、またマネジメント技術も乏しいのでいつまでたっても改善されないのが現状です。

また介護経験は長くとも、管理職としての適正にかける上司などの存在が改善を阻んだりもしています。

 

そういったハズレの現場を引かないためにも、転職や就職の際には、実際に現場を見せてもらい、雰囲気を確かめてる必要があるんです。

最近ではプロの転職アドバイザーから、意見を聞いたりすることも可能です。

せっかく世のため人のため、介護職になったのだから、その力を無駄使いしないでほしいものです。

 

 

あなたの勇気ある一歩、応援しています。

以上、「ブラックな現場からは一刻も早く脱出しなければいけない理由」でした。

介護の資格、王道パターン|初任者研修からケアマネまで

資格習得のための勉強本

こんにちは、介護福祉士のまちかです。

 

介護業界に限らず、世の中には様々な資格がありますよね。

医師、弁護士のような難しくて有名な資格から、ユーキャンで大人気の医療事務のようなものまで。

今回はこの業界でよく耳にする資格について、ご紹介していきたいと思います。

 

介護の場合、以下の表が大体の王道パターンとなってます。

 

初任者研修からケアマネまでの流れ

2019年7月作成

 

現在、自分がどの段階にいるのか。一緒に働いている人はどの程度のレベルなのか。何となくでもいいのでこの表が頭に入っていると、仕事がしやすいと思います。

 

もちろん資格が全てとは言いませんが、介護業界は経験だけがやたら長い割に、人間性と技術力の低い老害がよく見られます。そういった面々と上手くやるためにも、上位資格の習得は必須と考えます。

 

介護職員 初任者研修

介護をするための最初の一歩的な資格です。

昔はホームヘルパー2級と呼ばれており、現在では130時間(1ヶ月程度)の研修で習得が可能です。

受講後に簡単な確認のテストが行われますが、落ちる人はまずいません。

 

下のリンクは「初任者研修」を無料で行っているスクールのサイトです。奨学金のような制度のため、就職した先の企業があなたの代わりに支払ってくれます。そうまでしても介護業界は人が足りてないってことです。

介護業界で働きたい方を応援!特待生なら初任者研修が0円

 

介護職員 実務者研修

ある程度の介護経験を持っている人に向けた資格です。

昔のホームヘルパー1級や、介護職員基礎研修の内容も引き継いでいると言われています。

これを持っていないと、次の資格である介護福祉士を受験できません。

同じく、終了後に確認テストが行われますが、落ちる人はほぼいません。

 

「実務者研修」を行っているスクールの受講費比較サイトです。

介護福祉士実務者研修の費用・価格を学校別で徹底比較!|介護の資格 最短net

 

介護福祉士

介護における中心的な資格です。

一応、専門的な技術や知識を有しており、現場のリーダー的な存在で指導する立場となっています。

がしかし、資格というよりは信頼の証しとしての側面が大きいです。別に介護を行う上では必須の資格ではないので、経験が長くても実は持っていない人が多いです。

むしろ業界を渡り歩く人のための、通行手形となっている場合が多いのでは。

 

毎年、合格率は70%前後ですが、何らかの介護職に就いていて、ちゃんと仕事をしていれば普通は取れる資格です。残りの30%は、事業所のいうがまま何の疑問も持たず惰性で仕事をしているか、あるいはそもそも社会人としての常識に欠けているかの、どちらかではないでしょうか。 

「社会福祉士」「精神保健福祉士」と並ぶ、福祉業界"三大"国家資格の一つでもあります。

 

試験を主宰している公益財団法人のサイトです。

[介護福祉士国家試験]:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター

 

ケアマネジャー

介護支援専門員とも呼ばれます。

介護保険制度を利用して、個人に合った介護計画を作るのが主な仕事です。この計画が全ての元になり、高齢者は食事や入浴、掃除、リハビリといったサービスを初めて受けることができます。

 

受験するための前提条件として、介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士、看護師、薬剤師、理学療法士、、、などの国家資格を持っている必要があります。さらにはそれらを習得してから、5年以上の業務経験が必要です。

意外に知られていないが国家資格ではなく、各都道府県が登録・認定を行う公的資格だということ。例えば東京で資格を取った人が千葉県で働く場合、県の福祉課などに申請し、新たに登録証をもらわなければならないです。

全国平均の合格率は以下の通りです。徐々に狭き門となっているのが見て取れます。

  • 2014年 19.2%
  • 2015年 15.6%
  • 2016年 13.1%
  • 2017年 21.5%
  • 2018年 10.1%

 

試験を主宰している公益財団法人のサイト(東京都の場合)

公益財団法人 東京都福祉保健財団

 

主任ケアマネジャー

別名、主任介護支援専門員とも呼ばれます。

ケアマネジャーとして5年以上の業務経験があり、かつ専門の研修を受講すれは習得できます。介護サービス計画の作成のほか、新人ケアマネジャーの育成や、事業を行っている地域の発展のため貢献する必要があります。

 

以前は地域包括支援センターという、地域介護の中心となる相談窓口に勤務する場合が多かったようですが、今後は、一般の居宅介護支援事業所(ケアマネがいる事務所)にも必要となってきます。

高い介護報酬をもらうための加算条件になっているからです。

 

おわりに

以上、介護をしていく上での主な資格、王道パターンの紹介でした。

分かりやすくするため、すごろくの様に順番に紹介しましたが、ほとんどの場合、よくて介護福祉士どまりじゃないでしょうか。

ケアマネジャーは現場から離れ、お役所や家族と連絡を取るのが主な仕事で、一定期間内に研修を受け、免許更新の必要が出てきます。

私の上司であるサービス提供責任者や、施設長も(どちらも役職であって資格ではない)、介護福祉士どまりなので資格的には充分な気がします。

 

更なるキャリア・アップのため、それでも挑戦してみたいって人は勉強してみてはいかがでしょうか。

 

【疑問】じゃあ介護のいったい何が大変なのかをお教えいたします

英国の老夫人

こんにちは 、介護福祉士のまちかです。

 

介護の仕事って、大変、大変ってよく聞くけど、じゃあいったい何がどう大変なのか?

業界を噛った人でもない限り、具体的な所までは、実は分かっているようで分ってないと思います。

 

随分前の話です。私自身、前職を失い求職中だった頃に、ハローワークの人に聞いたことがありました。

今もまだあるかは分からないですが、池袋のサンシャイン内にある職安に、介護業界に特化したコーナーがあったんです。

廊下の途中、開けたスペースにそれ系の冊子や学校のパンフレットなんかが置いてあって、立ち読みが自由にできる状態でした。壁には求人表が貼って、奥に行けば軽い相談もできるようカウンターに人もいます。

たいした考えもなく、何の気なしに介護業界ってどうなのか、当時の私は相談員さんに聞いてみたのです。

「介護って仕事は、よっぽど我慢強い人がやる仕事だよ。求人はいつも沢山出ているけど、辞める人もそれだけ多いってことだからね」

 

確かそんな感じの答えだっと思います。

あれから10年以上も経ちますが、いま聞いてもほぼ同じ答えが返ってきそうです。

 

そんな訳で今回は、介護のいったい何が大変か、具体的に紹介していきたいと思います。逆にこれさえ耐えれれば、あなたも介護士になれるかもです。

その1 まず体力的に

私自身、介護士になる前は、デスクワークをやっていました。1日中、イスに座ってパソコン作業をするのがメインなため、まったくもって体力がなかったのです。

それが転職し、介護をするようになったものですから、最初は足が棒のようでした。

ですが人間とは不思議なもので、しばらくすれば慣れ、数ヵ月も経たないうちに仕事終わりに遊びに行くほど、何でもなくなっていました。

その2 腰痛にも

介護業界にいなくとも、よく聞く話しだと思います。中腰などの腰椎に負担のかかる姿勢を、長時間とるのが主な原因です。

具体的には、ベッドから車イスへの移乗介助、入浴介助の持ち上げ行為、あと意外なのがシーツ交換の際も、姿勢に気を付けないと腰に負担をかけています。布団などをバッサ、バッサとやるのも、回数を重ねると地味に負担がかかっているんです。

ここで注意して欲しいのは、実は腰痛は年齢とあまり関係がないといった点です。むしろ若いスタッフほど、力で介助してしまい、自らの身体に負担をかけてしまう傾向が多いです。

最近ではボディメカニクスといった、体の仕組みを使った身体介護が主流なため、技術をしっかり学ぶことで、ある程度の予防は可能になってます。

その他に、簡易的な腰痛予防のコルセットなどもあります。

その3 夜勤で生理不順に

看護師さんなど、昔からよく言われてきたことです。

夜勤で昼夜逆転の生活が続くと、ホルモンバランスが乱れ、生理痛の悪化や生理不順の原因となります。

夜勤のない現場でも、早番や遅番などの不規則なシフト勤務で、睡眠時間にばらつきが出るのもまずいです。意識して日常生活を送る必要があります。

体調を整えるためにも、休日はのんびりと過ごすことが大切です。

その4 認知症者の対応が

会話がかみ合わず、コミュニケーションが取れない相手の対応をするのも介護の一つです。

そういった高齢者を日常的にお世話しなければならないため、精神的な負担は大きいです。

 

まともな反応がないだけならまだしも、時にはセクハラや、暴力を振ってくる場合もあり、いかにしてやり過ごすかが重要になってきます。

個人では対応に限界があるため、高齢者の家族や上司や相談し、同性介護にしたり、症状緩和のお薬などを処方してもらったりします。

その5 排泄物の処理とか

誰もすき好んで、ウンコやおしっこなどの排泄物は見たくないと思います。

ですが人が生きていく上で、避けては通れない生理現象でもあります。自分でトイレに行けず、排泄の処理ができない高齢者の代わりに、我々介護士が助けなければなりません。

 

基本、排泄介助の際には「使い捨て手袋」をし、どうしても臭いに抵抗がある場合は、マスクの着用をしたりします。

排便がでないと腸閉塞(腸が詰まってしまうこと)を起こし、死亡する可能性も出てきます。そのため便秘が続いていないかどうかは、重要な健康の指標になります。

その6 同僚との人間関係も

基本的に介護はチームで行うものです。意地悪な先輩のおばちゃんや、性格のキツいナースなんかとも、それなりに上手くやっていかなければなりません。

介護に限らず、女性が多い職場は派閥などもあり、本来の業務とは別に人間関係を維持するため気を配らなければなりません。

逆に男性介護士や、新卒などの若いスタッフを積極的に採用しているところは、こういった悩みは少ないと思います。

 

どうしても人間関係がわずらわしい、苦手って人は、訪問介護で個人宅に伺うヘルパー業務や、人の少ない夜勤専門として働いたりしています。

その7 全産業の平均年収より遥かに低い

2017年に国税庁が発表しているデータによれば、全産業の平均年収は422万円。それに対して、介護士の平均年収は約378万円

専門職であるにも関わらず、経済的には全く恵まれていません。これが介護職の増えない、大きな理由になっています。

 

過去に何度か介護職の処遇改善が行われていますが、事業所の収益となるだけで、充分に現場スタッフまで降りてこないのが現状です。

2019年10月にも、介護職の処遇改善加算が行われるので、成果が見られることに期待です。

終わりに

以上のような、不遇な職業が介護士です。

世間の人は、尊敬するだの、なくてはならない仕事だの、頭が下がるだとか、耳ざわりのいいことばかり言いますが本当のところ、心の奥底では見下しているんじゃないでしょうか

私もこの業界に足を踏み入れる前は、家族や友人から「止めたほうがいい!」と散々言われ、既に福祉業界で働いていた叔母からも、「頼むから考え直してくれ!」と泣いて止められました。

 

じゃあ、なぜそんな大変な仕事をやっているのかと言えば、それなりに"面白み"や、"充実感"といったものがあるからです。

認知症で落ち着かなかった人が、過去に得意としていた編み物を与えると夢中でしたり、麻痺の後遺症でご飯が食べられなかった人が、補助具や取り皿を準備しただけで自身で食事ができたり。

そういった場面に関わることで、役に立った感じを得られるのも確かです。

 

普通の人ができないことをやっている、という誇りが、続けている理由かもしれません。

 

以上、おわり。

老人ホームは色んな種類があって困ります2【民間編】

民間の老人ホーム

老人ホームの種類を紹介する記事の続きになります。

前回に続き、パート2の【民間編】です。これもまた、かなりややこしいので出来るだけ簡潔に書いていきたいと思います。

 

前回の老人ホームと違い、民間の場合は月々にかかる食費や光熱費とは別に、入居金を収める形式がほとんどです。

金額はピンキリで、それこそ0円を売りに入居者を集める会社もあれば、まずは1億円を払って話はそれからの超高級な老人ホームも存在します。

 

下記の老人ホームも種類とは別に、グレードが千差万別なので大金がないと老人ホームに入れないってことはないです。

ただ、満足な介護が受けられるかどうかは別の話ですが。

1、介護付き 有料老人ホーム

もっともポピュラーな民間の老人ホーム。【公共編】でご紹介した「特養」が高齢者で溢れかえり、順番待ちとなっている状態なので、その主な受け皿となっているのがココです。

 

入居条件としては、介護保険が使える65歳以上。老人ホーム的に受け入れ可能なら、介護度がどんなに高くてもOKです。

老人ホームによっては、介護を必要としない高齢者の受け入れも可能だったりします。将来何かあった時のためにとか、高齢者の一人暮らしは心配なので、といった理由で入居する人や、夫婦の片方が要介護状態なために一緒に入る、といったケースもあります。

更にいえば自立型、介護専用型、混合型と3つに分けられ、目的にあった形でそれぞれの入居や運営が行われています。

2、住宅型 有料老人ホーム

上記の老人ホームに次いで、二番目にポピュラーな老人ホーム。

同じく65歳以上が対象。介護を必要としない高齢者も入れ、更にはどんなに介護度が高くても受け入れOK。一見して、見た目は「介護付き 有料老人ホーム」となんら変わらないです。

一番の違いは、最初は介護が付いていなくて、必要になったとき初めて外の業者と契約を結んで、ヘルパーさんに来てもらうといった部分です。

「なんでそんな面倒臭いことわざわざしなきゃいけないの?」

「初めっから介護付けちゃダメなの?」

って思いますよね。

 

理由があるんです。

最初の「介護付き 有料老人ホーム」は総量規制っていう、数の制限があるんです。

どういう事かというと、まず公共編で紹介した老人ホームが高齢者で溢れかえっています。それを受け止めるために、民間の老人ホームができた訳ですが一定のクオリティーを保たなきゃいけないので、様々な条件があるんです。職員は何人以上で、生活相談員を置いて、機能訓練指導員を置いて、食堂があって、浴室があって、機能訓練室が、、、などなど。

それら膨大な条件をクリアして初めて、特定施設という指定を行政からもらえるんです。

んで、監督・管理するのがその都道府県とかなんですが、ハッキリ言って面倒くさいんですよ。数が多くなると予算もかさむし、面倒見るのが大変だし。ぶっちゃけ増やしたくないんでしょう。

だから数の制限をしているんです。

 

それに比べ、この住宅型ってやつは建てる条件が緩い。

何てったって、ただの住宅ですから。高齢者向けのマンションとでもイメージしてもらえれば分かりやすいでしょう。そのため、いまでは住宅型のほうが数では倍以上、既にこの世の中に存在しています。

 

実際、私が働いているのもここ。

一応、外部の業者ってことで各部屋に出入りしている訳ですが、介護してるのも、ケアプランを立てているのも、建物を作っているのですら同じ会社です。訪問する部屋の一階に、介護サービスをする事務所が入っているんですよ。なんら変わりないでしょ。

 

別に違法でもなんでもないので、行政に届け出さえしていればOKなんですが、書類とか伝票とか用意するのが毎回、超メンドーです。

だって扱いは訪問介護員ですから、毎回、入浴介助や食事介助する度に、介護伝票の発行と本人のサインが必要になってきます。

上司とかが入居や契約、または更新のたびにヒーヒー言って、説明義務を果たしたり、まるでポケモンスタンプラリーの様にハンコをもらいに行ったりしています。

3、サービス付き高齢者住宅

上記2つの老人ホームの賃貸版です。

上の2つが入居にあたり、入居金として多額のお金を必要とするのに対して、初期費用が少ないのが一般的です。建物がバリアフリー構造になっており、分かりやすくいえば高齢者向けのアパートのようなものです。

サービス付きとは歌っていますが、たいしたサービスは付いていません。安否確認のためのモーニングコールや、食堂が一階に併設してあるとか、そんなもんです。

 

そもそもが、重い介護度の高齢者を想定していないため、状態が悪化すると、場合によっては退去させられることもあり得ます。もし介護が必要になったら、外部の介護サービス業者と契約を結んで、ヘルパーさんに来てもらうことになります。

またレクリエーションなどの入居者同士が集まる機会がないため、隣近所との交流にはとぼしいです。

ただ実際のところ、こちらも最近は介護度の重い高齢者を受け入れるようになってきているみたいです。私が働いているところと同じように、介護サービス業者が一階に併設している住宅も増えてきているようです。

日本中、どこも老人でいっぱいなんです。

4、グループホーム

日本語で正しく言うと「認知症対応型 老人共同生活援助施設」です。

分かりやすく翻訳すると、認知症の面倒をまとめて見る家。

要支援2以上が入居できます。

 

1ユニット9人で共に生活をし、掃除や料理を介護士と一緒にしつつ、自立できるように暮らすのが目的です。

なぜ9人かというと、認知症の人はあまり多くの人数を一度に覚えることができないため、顔見知りは少ないほうが混乱を招かないといった理由です。

また、グループホームは地域密着型サービスというジモティーのための老人ホームなので、もともと小規模を前提としています。

 

一方で、働く側からして見ると、夜勤などは一人で2ユニット18人を看なければいけない現場もあるみたいです。18人がよく寝てくれて、たまに巡視するぐらいなら楽な仕事でしょうが、そこはやはり介護業界。

昼夜逆転している話の通じない高齢者の相手を、まともに休憩も取れない状態で一晩するのは地獄だと思います。

グループホームはどこも小規模なため、社員として勤務している人は少ないみたいです。パートやアルバイトが主で、そんな彼ら彼女らに夜勤業務を担ってもらうのは、酷としか言いようがありません。

 

今後、政府は高齢化社会に向けて更に増やしていく方針みたいですが、現場が疲弊していて、綱渡り状態で運営しているようでは、うまくいくとは思えません。

おわりに

以上、民間が運営している老人ホームでした。

実際に内部見学や建物なんか見たとしても、多分どれがどれか分からない所が多いと思います。これらはあくまでも、行政上の仕分け的な要素が強いです。

 

特に今の時代、どの施設も高齢者で溢れています。本来はたいして世話のかからない高齢者の入居を想定していた施設まで、重い介護度の人を受け入れなければならない状態になっています。

そのうえ箱だけ作っても、実際、中で働く人がいないとった所がほとんどだと思います。

日々の業務に忙殺されて、どこで働いているかなんて意識していないのが普通なんじゃないでしょうか。

 

以上です、終わり。