介護業界で働く前に読むブログ

介護に正解はない、あるのは関係者各位の合意のみ

スケッターの運営に聞いてみた、質問集とかだよ

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お疲れ様です!介護福祉士のまちかです。

スケッター体験をした延長で、直接、運営の方にもいくつか疑問も聞いてみましたので、今回はそのまとめです。

 

公式サイトにも、似た内容のQ&Aがありましたので、もっと詳しく知りたい人はこちら。

私は運営ではないので、詳しく聞かれても困りますので。汗

 

 

Q.ボランティア中に、事故とかあったらどうするの?

A.当事者責任になりますが、ボランティア保険(損害賠償保険)には加入しています。以下のようなケースを想定して、毎月高額な保険料を支払っております。

 ・施設に行く途中、転んで足を怪我してしまった

 ・間違って、入居者に危害を与えてしまった

 

Q.ボランティアなのにお金がもらえるの? 現金or振込?

A.交通費や謝礼が、僅かですが施設側から報酬が出ます。ボランティア終了の直後に、現金です。今後、振込に変更予定です。

 

Q.高校生ってスケッターしていいんだっけ?

A.以前はOKでしたが、不可になりました。現在は18歳以上(高校生不可)を対象にしています。

 

Q.急に行けなくなってしまった場合は、どうしたらいいですか。

A.応募後、施設が受け入れを承諾してくれるまでは時間があります。その場合は、応募したお仕事の詳細ページにある「応募する」ボタンを、もう一度押すと「キャンセル」ができます。もし既に承諾済みの場合は、施設にメッセージで行けないことをお伝えください。(無断欠勤の場合、弊社から違約金を請求する場合があります)

 

Q.契約を結ぶ上で、気をつけないといけないことってあります?

A.依頼した仕事に対しての契約なので、それ以外の業務は遠慮してもらいます。

 

Q.業務委託契約について教えてほしいです。

A.請負や委託と、労働者派遣の違いになります。

 ・請負:労働の結果として仕事の完成を目的とすること(民法第632条)

 ・委託:全量なる管理者の注意をもって業務を処理すること(民法第643条、第656条)

 ・労働者派遣:派遣元事業主が自己の雇用する労働者を、派遣先の指揮命令を受けて労働に従事させること

 

※厚生労働省HP「様々な雇用形態」

 

 

更に詳しく知りたい人は運営サイトで受付ていますので、そちらへお願いいたします。

運営会社:株式会社プラスロボ

 

さいごに

1995年の阪神大震災以降、『ボランティア元年』なんて言葉も生まれました。

2011年の東日本大震災、また近年の豪雨災害など、昔に比べればボランティアが求められる機会は明らかに増えています。

また一方で、将来何をしていいか分からない若者も増えてきています。

すぐに介護職にならなくても、その世界をちょっとのぞくにはスケッターは便利なツールです。

導入に二の足を踏んでる多くの施設は、この概念や目的を正しく理解していません。

また、「新しい試みなんてわずらわしい」「入居者の名前や顔を知らない人間が館内をうろつかないでほしい、迷惑だ」そう感じているのでしょう。

事実、ボランティアを受け入れる施設は、心に余裕のある施設です。

 

ですが、長いこと凝り固まった介護や福祉のネガティブなイメージを払拭するには、新しい試みを受け入れるほか、ないのではないでしょうか。
保険制度が悪い、経営者が悪いと、既存モノに対して文句を言うのは簡単です。

彼らスケッター開発者は、文句で終わらせず、実際に社会課題を解決しようと、手探りながらも行動を起こしている人たちです。

「今まで自分たちこそが介護の仕事を担ってきたんだぞ」と、自負やプライドの高い介護職ほど、自身を脅かす可能性も出てくるので、こういった新しい仕組みはなかなか受け入れにくいのかもしれません。

 

スケッターに限らずですが、若者が介護や福祉業界に足を踏み入れるのを、強く反対する親も多くいます。

可愛い我が子には、わざわざ低賃金&重労働の道を、歩いて欲しくないといった親ごころです。

金銭以外にも価値基準があると、露ほども思わない親世代です。

「イイねが欲しい」「誰かに必要としてもらいたい」そういった承認欲求が上位にくる考えを、多分、一生理解できないでしょう。

 

なにもスケッター利用者の全員が介護職になる必要はありません。

福祉の世界がどういうものか、休みの日に数時間だけでも、ちょっと自分の目でのぞいてみて、そしてどうするのか、自分の頭で判断してもらえばいいだけのことだと思いますが。

 

以上、おわり。

 

【体験談】スケッターを使ってみた感想、と私の評価

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お疲れ様です!介護福祉士のまちかです。

最近SNSだけでなく、多方面で話題になりつつあるスケッター

TVでも徐々に取り上げられているみたいです。

噂は聞くけど、実際にやったことない人、まだまだ多いんじゃないでしょうか。

Twitter界隈では、なんだか現職の介護職を中心に賛否が別れてるみたいですが、、汗

実際のところどうなんでしょう。

どういったサービスなのか、使ってもないのに適当なこと言っている人も多いようなので、今回、私が身を勝手に張って体験してきました。(別に運営からお金はもらってないです。笑)

 

介護職もそうじゃない人も、参考になればこれ幸いです。

そもそもスケッターとは何ぞや

まずは知らない方のために。

一言でいえば「ボランティアしたい人と介護施設のマッチング・アプリ」です。

これまでは行きたい施設を自分で探したり、地元の社会福祉協議会やボランティア・コーディネーター等の手引きで行っていました。

そ・こ・を、このアプリは代替してくれるって寸法です。

行政や社協のサイト、もしくは実際に公民館、お役所に足を運べば、ボランティア募集の貼り紙は見つかるかもしれません。

ですがそんなモノ、いったい誰が見てるんでしょう?

意味ないとは言いませんが、機能してない部分が多いと思います。

アプリという手に取りやすい形にしたことで、施設ボランティアが一気に近づいた感じ。

 

具体的にやる内容としては、介護そのものではないようです。

ご飯の準備や片付け、レクリエーションのお手伝い、認知症高齢者の見守り、お話相手などなど。

労働力を確保するためのツールではなく、施設と繋がるためのきっかけと考えたほうがいいかもしれません。

そのため、登録者のほとんどは介護未経験の若者です。

社会見学の一つとして、または「何か役立つ事がしてみたい!」って人が参加してます。

そんなこんなで2019年8月1日に正式リリースが始まりました。

今では東京を中心に、毎月100人程度が稼働中だそうです。

 

登録者数 784人

(内訳)三十歳未満 70%

    三十歳以上 30%

    介護関係者 20%

    それ以外  80%

登録施設 約60施設

2019年12月27日現在

運営会社のサイトはこちら

 

新しい試みって普通ビビるよね

という訳で、アプリに私の個人情報をポチポチと入力。

新しいモノを信用できない人って、もうこの時点で情報漏洩とかを理由に、毛嫌いするんでしょうね。

んーでも、そんなの関係ねッ!w

リスクを背負わない人間に、人生を変える体験は一生来ません。

きっと、この取り組みがもっとメジャーになったり、あとは行政のお墨付きとかになれば、今ビビってる層も興味さえあれば追随するはず。

 

んで、日程の合いそうな近場の施設を検索。

施設担当者と軽いチャットも出来るので、そこで当日の確認をします。

あと今回、私が体験してきた施設は”スマート介護士”という、これまたなんだか怪しげな資格を推し進めてる特養でした。

簡単にいうと、最新ロボやセンサー機器を使い、介護の質や効率化を上げようってことらしいです。
ハイテク好きな私としては、これを機に無料で見学させてもらった感じ。

 

数日後、約束の時間に施設に行き、受付でスケッターで来た旨を告げます。

しばらくすると、担当の介護士さんが来られ現場を案内してもらいました。

そこは新しめの、20階建てのビル。特養の他にも、中には老健、デイ、通所リハ、あと障害者支援施設も入っていました。

そのため別のフロアでも、スケッターを同じように受け入れているそうです。

多分、新しめの施設なので、こういった新しい試みに対しても開かれているんでしょう。

 

ハイテク特養で食介したよ

特養のフロアへ着くと、監視室のようなモニターがずらっと並んであるブースへ連れて行かれます。

現在導入している機器の説明を受けました。

すべての居室でやっている訳ではないそうですが、様々な商品を現場で実際に使って、本当に機能するのかメーカーと試しているそうです。

 

具体的に紹介するとこれら

「RICOH みまもりベッドセンサーシステム」

「D  Fee」膀胱の状態を遠隔で見る装置

・ベッドに寝てるだけで、脈と呼吸数が計測できるバイタルセンサー(名前忘れた)

・防犯カメラみたいなのを天井につけて、プライベートに配慮した形で動きだけがわかる装置(名前忘れた)

オイッ、しっかり取材して来いよバカ!

 

それらをモニターで管理したり、端末のタブレットPCで入力したりするそうです。

私が働いている施設でも、最近iPhoneやタブレットを導入して、入居者の記録を付け始めています。

介護施設といえど、ICT導入は避けて通れない課題ですが、実際はまだまだでしょう。

施設の経営者や現場スタッフの高年齢が障害となり、進んでないのが現状だと思います。

各メーカーの皆さん、高齢職員でも扱える機器の開発、よろしくお願いいたします。

 

夕方にお邪魔させてもらったこともあり、入居者さんとはご飯が来るまで話をしたり、一緒にTVを観て過ごしました。

あらかじめ経歴を伝えていたので、1人の食事介助を任され、サクッとやります。

最後に、タブレット端末で食事量などを入力してもらい終了。

 

導入するメリット、デメリット

普段、スケッターで来る人はやはり未経験が多いそうです。

基本的には、見守りや話し相手などらしいですが、希望者には食事介助も教えているそうです。

今回、たまたま私が経験者なので早く終わりましたが、正直、素人に教えながら他の入居者の介助もとなると、現場は結構大変なんじゃないでしょうか。

ですが逆に、デイサービスなどでは介護度の低い高齢者が多いので、レク中心の現場では助かりそうです。

以下、私が感じた全体のメリット、デメリットです。

メリット

・色んな施設を見れるので、就活や転職の参考になる

・ボランティアの前で適当な介護は出来ない、ので現場の質は上がる

・スケッターきっかけで、そのまま職員になる可能性も(実例あり)

・「地域に開かれた施設」という印象を作れ、宣伝になる

 

デメリット

・素人が関わることでの事故が心配

・関わり方によっては職員の負担にもなる場合も

・新しい試みなので、使う人など周囲の同意を取るのが大変

・「時給目的」「労働力確保」といった視点でしか見られていない

 

実際、私の上司にもスケッター導入について聞いてみました。

が、秒で断られました。理由は「定期的に来てくれなければスケジュール管理がしずらい」だそうです。

確かに、入居者の数は同じなのに、日によってスタッフが多かったり少なかったりでは、足りない日は正社員がフォローしなければなりません。

まだまだ労働力としてしか、施設側は見てないようです。

 

仕組み自体が新しいモノなので、色々と言う人もいるでしょうが、結局のところ、これらのメリット・デメリットを天秤にかけて、個人や施設が決めればいい事だと思います。

 

以上、おわり。

同窓会で「介護やってる」って言った時の周囲の反応

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こんにちは、介護福祉士のまちかです。

最近、ベーシックインカムの話を中心にやっていたせいで他の話題についてすっかり書いていませんでした。

今回は、私が実家に帰省して同窓会に参加した時のお話です。

 

同窓会と聞いて、皆さんは何を思うでしょう?

当時、好きだった人に会って数年ごしの告白をするとか、あのパッとしなかったスクールカート下位のヤツが有名人になってたとか、、

それほどドラマチックな展開があったかどうかは微妙ですが、私なりの発見はありましたので良ければご覧ください。

 

そもそもみんな同窓会に参加したがらない

私の実家は東北のド田舎にあります。

上下水道もろくに整備されていないような山の中で、携帯の電波はかろうじて届くような場所です。

かつては地区の防災無線で「熊が出たので気を着けてください!」と流れるほど。

同窓会の当日は、あらかじめ地元の幼馴染みと連絡を取っておきました。

彼とは小学校からの同級生で、中高も一緒、一時期は都会に出てたらしいのですが、今は地元がいいと戻って就職していたそうです。

「フケたね~、いくつになったの?」などバカ話をし、彼に会場まで連れて行ってもらいました。

 

一般的に言って同窓会は集まりが悪いそうです。

検索すれば出てくると思いますが、全クラスの3分の1程度しか出席しないそうです。

みんな学生時代にいい思い出がないんでしょうか。(私もですけど)

今回ですと地元中学の同窓会で240人中、やはり80人程度しか来ていませんでした。

後で聞いたことですが、参加・不参加の連絡すらつかない同級生も大勢いたそうです。

私の時代は、まだ普通に卒業アルバムに実家の住所と電話番号を載せていたため、それを頼りに連絡を取っていましたが、最近は個人情報保護法で載せてないらしいです。

今の若い子はどうやって同窓会を開催してるんでしょう。FacebookやInstagram、LINEのアカウントとかでしょうか。

 

担任が前期高齢者になってた

会場はまるで結婚式場のようでした。

既に仲の良さそうな人らで固まっており、確かに最初はいづらくありました。

イケてた人はイケてたグループ、真面目そうな人は真面目そうなグループ、女子らは女子らのグループ。

私はというと、学生時代に友達がいなかったので仲の良い友達は同窓会には参加していなかったので、取り合えず会場を漂流しておりました。

すると、壇上の前の辺りでしょうか先生らのグループにたどり着きます。

「おお、元気そうだな! この間、妹さんの同窓会にも呼ばれたぞ」

「あああ有難うございます。先生は退職されたんですか」

当時、担任だった教諭に呼び止められ、お互いの近況などを話すこととなりました。

教職だけあってか、先生という生き物は基本コミュニケーション・モンスターです。(最近の先生はそうでもないらしいが)

話題は流暢で、見た目はお爺ちゃんになっていましたが、当分介護は必要ないなと感じました。

他の同級生たちは遠慮してなのか、先生らのテーブルより、離れた席から順に埋まっていっています。

ゆくあてが無かった私は、そのまま先生らのテーブルで腰を落ち着け、高齢者介助をすることにしました。

 

人は思ったほど変わらない、変われない

幹事からの挨拶、学年主任の話、写真撮影など、一通りの進行が済むと、最後に花束を先生らに渡して、3時間程度で終了しました。

会で一番印象に残ったのは、同級生の何人かが亡くなっていたことでした。

世間体や個人情報もあってか具体的な死因の説明はありませんでしたが、自分もそういった歳になったんだなと自覚しました。

彼らに向けた追悼の時間が、最後に設けられたのが印象的でした。

 

今回、あらためて同級生と話をして思ったのは、みんな当時の印象通りの人生を、その後も歩んでいるということです。

当時から不良だった人は腕に大きなタトゥーを入れてたし、イケてた秀才は一部上場の大会社に入っていました。女好きな人は、女子の尻ばかり追いかけ、地味で真面目な人は役場の職員に。

田舎の公立校だったため、医者や弁護士はいませんでしたが、当時、生徒会長をやっていた人は自衛隊の幹部候補になってました。

たまにヤンキーだった人が、心を入れ替えて学校の先生になったり、会社を起こしたなんて話をたまに聞きますが、そういうのはごくごく一部の例で、ほとんど全ての人は当時の印象から逃れられないモノなんだなとしみじみ考えました。

 

そんな中、私はというと大人しく目立たない中学生でした。

主体的になにか率先してやるような性格ではなく、日和見で、多数の意見に流される特徴のない存在、モブキャラです。

勉強も運動も平均点、目立つ訳でも、落ちこぼれる訳でもなく、スクールカーストでいえば中の下ぐらいでしょうか。

あの頃は、陰キャなんて言葉はありませんでしたが、確かにコミュニケーション能力の高い生徒会に入るような人には劣等感、いや正直に告白させてもらえば嫌悪感を抱き、一方で、まだ自己表現が上手く出来ない発展途上な内気な同級生には、とても共感を抱いている中学生した。

その上で、今の仕事につながる芽は何んだろうかと考えてみると「人の様子をよく視るのが好き」な子供だったとは思います。

洞察力とはちょっと違うんですが、自分がどうかよりも、まず友達がやりたいことに興味を抱き、必要なら手を貸す。または先生の意図したいことをくみ取り、まずは反抗せず従ってみる。

さして特別なことではありませんが、同級生と昔話をしていて、そういった思い出ばかり自分の口から自然と出てきました。

これってかなり介護に通じませんかね?

ただ実際、私がいま介護をしてるって周囲に話した時の反応は、ほとんど信じてもらえませんでした。

「またまた冗談を、そんなひょろっこい身体でお前なんかにできるわけない」

「あれでしょ、介護施設で事務員やってるんでしょ」

そんな感じです。涙

それから驚いたのは、当時から人当たりの良く気の合った同級生らは、理学療法士やマッサージ師、鍼灸の先生など、近い仕事をしていました。

人生って、そういう風にできているんですねー。

 

終わりに

同窓会に行って気づいたのは、多分、一生、自分はこの業界で生きていくなといった予感でした。

世に様々な職業はあれど、死ぬまで人の人生に関わって生きてく職業ってそう多くはないと思います。

志の高い同業者からは不謹慎と言われそうですが、その人が経験してきた人生、物語を間近くで見聞きできるのって、自分にとっては興味の対象です。

まあ続けていくための課題も、介護職の収入が低いなどありますが。

 

ただ、生涯年収として考えた場合どうでしょう。

先ほど上げた、役所や教職などの公務員の定年退職は60才です。サラリーマンだと60~65才。自衛隊員だと、なんと53才で定年退職だそうです。

まだ何才まで働くか決めていませんが、介護職という生き方をした場合、どちらかというと自営業に近いと思います。

低所得でもコツコツ働いていけば、案外、一般的なサラリーマンの生涯年収ぐらいなら途中で追い越しちゃうんじゃないでしょうか。

さすがに夜勤や特養でバリバリ、といった勤務は無理でしょうが、パートとしてならもう既に、多くの60~70代女性が介護業界で活躍しています。

それこそ資格さえあれば、登録ヘルパーや認定調査員として、年齢に関係なく自身のペースで働けますし。

 

定年後、他の業界に再就職するぐらいなら、見知っている業界の発展のため、残りの人生を捧げませんか。

多少お金があっても、悠々自適な老後など幻想だと思います。

朝起きて、毎日やることがない高齢者ほど早く老化しますよね。

「壮年期うつ、老年期うつ」などで検索をしてみれば、メディアがあまり伝えない現実が見えてきたりします。

せっかく生まれてきたんだし、意味ある人生を送りたいものです。

 

以上、おわり。

【ケアマネ試験】受験するかどうか悩んでいる人への答え

ケアマネ試験

こんにちは、介護福祉士のまちかです。

介護業界である程度、働いている人にとっては「ケアマネ受験どうするか問題」は避けて通れないテーマだと思います。

ヤルにしろヤラナイにしろ、業界に身を置いておきながら目指さなってのは、それなりに理由というかポリシー(ネガティブなりポジティブなりの)があるはずです。

近年、現場介護士に対して、何度か処遇改善加算が行われました。

ケアマネとの年収格差が無くなり、下手をすると逆転現象も起き始めているため「金のためにケアマネになるってばよッ!」って人も、今では減ってきています。

かく言う私も、その一人だったりします。笑

今回はケアマネ受験の動機とか、ちょっとデリケートな部分にも触れる、そんなお話です。

 

ケアマネ受験しない人の理由

いきなり結論から言わせてもらうと、頭が悪いからじゃないかと思いますw

いま介護やってる人のほとんどは、かつて学校の勉強ができなかった人ではないでしょうか?(ごめんなさい、別に喧嘩を売ってる訳じゃないんです。汗)

もちろん全員とは言いませんが、私自身も少なからず心当たりがあるんで。

受験とか試験勉強とか、聞くだけでアレルギーが出るし、コツコツやるのも苦手だったし、合格・不合格のジャッチを下されるのも、正直怖くてずっと逃げ続けてきた人生でした。

 

現場で利用者と触れ合っているほうが、ケアマネ業務なんかよりも好きって人は多くいます。

仕事柄、アセスやモニタリングで現場におもむくことも多いケアマネですが、それでもメインはPCでの入力作業、電話&メール対応、関係者各位のスジュール調整、と要はデスクワークです。

高齢者と向き合っているほうが、やりがいを感じる人。

椅子にじっと座っているよりも、身体を動かしていたい人。

介護業界以外の人が聞けば信じがたいでしょうが、便臭・尿臭を常に嗅いでいないと生きた心地がしない変態さんな人

そんな彼ら彼女らにとっては、利用者以上に、家族やサービス業者と仕事をしなければならないのが面倒なのでしょう。

 

でも、それはケアマネ受験をしたくない理由ではなく、ケアマネ業務をしたくない理由です。受験して合格したまま、しばらくはペーパーケアマネでいいじゃないですか。

介護保険制度について詳しい介護士と、詳しくない介護士、どちらが利用者や家族から信頼されやすいかは、明らかですよね。

この業界での「現場が好き」は、「成長や勉強をしたくない」って聞こえてしまいます。

例えばホリエモンや林修先生のような東大卒の人が、「学歴なんか関係ない、必要ない」と叫ぶのと、低学歴の人が必要ないと叫ぶのでは、周囲からの見え方が違います。

若干、マウントを取るような発言になってしまい申し訳ありません。

申し訳ありませんですが、ついでにもう一つ、あえて身も蓋もない言い方をすると、仕方なく介護に行き着いた人、結構多くありませんか?

 

少しは見返したくありませんか!

 

でも、働きながらの勉強って大変だし、、

じゃあ、空いた時間で少しづつ、過去問題に手を出すのはどうでしょうか。

私だって別に学歴があった訳じゃありませんよ。結局、合格するまでに3年以上かかりましたし。笑

目標に対して、向かっていく姿勢が大切なんだと思います。

別に合格しなくたって、もっと言えば受験しなくたって、学習した分だけ制度に詳しくなる訳ですから、働いていく上で損はないでしょう?

今はスマホの無料アプリですらありますから、気軽に勉強もできます。就くか就かないかはさて置いて、 ケアマネ資格は介護福祉士の次の到達点にしちゃってください。

 

そもそも、ケアマネの業務内容は現場で自ら介護サービスをするのではなく、元になる計画を作る業務です。

利用者は高齢のため体調を崩しやすく、定期的にケアプランの変更なども求められるでしょう。

また介護サービスを提供する事業者から、緊急に呼び出されることも少なくないです。そのために休日出勤や、もしくは家に仕事を持ち帰ったり、正直ブラックな待遇も多いです。

特に雇われの身だと、保険制度に詳しくないバカ経営者から、都合のいいようにコキ使われて介護の何でも屋にされることもあります。

利用者のケアプラン作成より、ケアマネ自身のケアプランを作成する必要があるんじゃないかと思うほど、理不尽な仕事です。

 

それに給料面でも、決して恵まれている訳ではありません。

現場感覚でいえば、全国で実働している10数万人のケアマネのうち、恐らく半数以上は年収400万円にも届いていないのではないでしょうか。

やり手が少ないのもうなずけます。

 

そうなのよ、メリットが感じられないのよ

狭き門を突破しても、長い研修が待っています。

現在では、88時間の座学&グループワーク、プラス3日間ほど主任ケアマネの所に弟子入りをし、現場実習を行います。更には宿題もあります。

もう10年前の資格とは、ほぼ別なんじゃないかって程に、道のりは遠くなってしまいました。

結局こんだけのことをやっても、利用者や家族から、時には仲間であるはずのサービス事業者からも文句が数多く聞こえてくるので、正直やってられないです。

その上、手に負えないような支援困難事例や、応えられないような理不尽な要求をする家族もいますし。気が滅入ります。

 

ただ年齢とともに、体力が低下していくのは高齢者だけじゃなく、我々も一緒です。デスクワークになれば、移乗や夜勤など肉体的な負担も少なくなり、長い間この業界に貢献できるのも事実です。

また、訪問介護員や施設介護士に比べれば、自分の裁量で時間調整がしやすい業務でもあります。柔軟な対応のできる人には向いている仕事とも言えます。

激務であるということは、裏返せばそれだけニーズがあるという意味です。

必死になってブラックじゃない事業所さえ見つければ、やるメリットあると思いませんか?

 

最後にちょっと視点を変えてみる

介護したいかどうかよりも「誰もやりたがらない仕事だから、やる」という風だとどうでしょう。

誰かがやらなければならないなら私がやる、犠牲になる。もう少し捻れば、希少価値のある存在になる。

 

私の場合でいうと、そもそも福祉とか介護とか、初めは興味などありませんでした。

今でこそ、多くの新人介護士を育て、10年以上もこの業界に身を沈め、何だったら介護ブログまでやってますけど、別に介護は好きでも嫌いでもありません。

仕事だから一生懸命にやっているだけです。

ただただ、関係者全員が上手くいくように業務を遂行してるだけなんです。

正直、それは介護じゃなくてもよかったんです。手の届き易いところにあったために掴んだ仕事だったんです。

 

気負いせず、受けてみてください。

大したことないです。だって元になる”介護保険制度”自体が、もう随分前からツギハギ状態なんですから。

行政はこーーしろって言っているけど、実際の現場ではあーーしてるってこと、結構ありませんか?

あいつら現場のこと、何も分かってませんから!

一部の従事者以外、ほとんどよく分かっていない状態でこの複雑な制度を回してるんです。少し勉強するだけで、希少価値のある存在になれるんですよ。

 

他にはいない、あなたになれると思います。

【Q&A】ベーシックインカム構想に対する「よくある質問」

よくある質問の島

こんにちは、介護福祉士のまちかです。

前回の「介護職(福祉職)のためのベーシックインカム構想をブチ上げてみたよ」について、いくつかご質問をいただいたので、それに対する回答になります。

もうなんか、私の中では生涯を通じたライフワークとなりつつあるので、上手くいこうがいくまいが、地道に、坦々と続けていこうかと考えています。

ナマ温かく見守ってくだされば嬉しいです。笑

 

Q1.この制度の目的はなんですか?

いつくかありますが、最大の目的は福祉職の存在をもっと世の中にアピールする事です。介護や育児といったサービスを世間は何か当たり前のように、自動販売機かのごとく低コストで受けとれると思っている節があります。福祉には人の手がかかります。

この取り組みを通じ、我々の存在をより知ってもらえたらと考えています。

以下が、主な目的となります。

1、福祉職の存在のアピール

2、福祉と社会を繋げる

3、人材の教育、質の向上、掘り起こし

4、この仕組みを行政にマネさせる

5、福祉職の生活の安定化

 

Q2.ベーシックインカムってなんですか?

一般的には、政府がすべての国民に対して、最低限度の生活が送れるように定期的な支給を行うことです。

この取り組みも、フィンランドが大々的に行った社会的実験を一部参考にしています。

「ベーシックインカム」の実験 フィンランド政府が無条件で月約7万円を配布 | ハフポスト

 

Q3.支給金額がたった数千円だけ?

福祉職の多くはパート労働者です。彼ら彼女らは月収5~15万円程度で生活を送っています。そういう人が受け取る毎月の数千円と、月収30万円の人が受け取る数千円とでは大分価値が違うと考えています。

この取り組みが上手く回れば支給額を上げることも可能です。

 

Q4.支給するための財源はどうするの?

NPOの事業収益と、個人や企業からの定期的な献金によって支えられます。

この取り組みが、世間から意味のないものと思われれば継続は困難になります。

まずは知名度、信頼、実績、熱意、人数などが必要になってきますが、取り敢えずは「面白い」と言ってもらえる活動から始めようと思います。

そもそも興味すら持ってもらえないと、同じ福祉職ですら注目してくれませんから。

 

Q5.支給する対象はどこまでですか?

●高齢者福祉

何らかの介護施設や事業所で働く介護士、ヘルパー、介護福祉士、介護支援専門員など。

【例】グループホーム、デイサービス、有料老人ホーム、サ高住、老健、特養、小規模多機能型、訪問入浴、訪問介護、定期巡回・随時対応型、等々

●児童福祉

地方公務員でない、保育士、ベビーシッター、チャイルドマインダーなど。民間の児童福祉施設に従事している人を想定。

 

●障害者福祉

生活支援員、職業指導員、就労支援員などと呼ばれる障害者支援員。

【例】就労継続支援(A型・B型)事業所、就労移行支援事業所、グループホーム(共同生活援助)

 

更に、これら福祉関連施設に勤務する事務員、調理士、洗濯や掃除をする人も、福祉職を支えるメンバーとして財源が許す限り支給対象に含めたいと考えています。

 

 

ご質問などあれば、適宜、更新していきたいと思います。

 

以上、おわり。

介護職(福祉職)のためのベーシックインカム構想をブチ上げてみたよ

アイデアが生まれた瞬間

こんにちは、介護福祉士のまちかです。

介護職とか福祉系のお仕事って、基本お給料低いですよね。

私も10年以上、介護の現場で働いていますが、同じ年齢の平均年収からはぶっち切りで差つけられてます。泣

いまだに「ボランティア精神でやってんだから金の事とか文句言うな」とか、「経済原理が働いての当然の結果」とか、現場も知らずに眠たいこと言う人もいますが、そーゆーのはクソの紙くずなんでほっときます。

将来あなたが介護を受ける立場になっても、まだ同じことを言ってられますか?って感じ。

そんな態度の人は、いくらお金積んでも誰もおむつ交換してあげませんよー。

今回はどうやったら、福祉職が今よりもまともな生活ができるのか、アイデア・構想のお話です。

 

ベーシックインカム構想(妄想?)

「うーん、どーしたらいいかなー」なんて足りない頭を絞ってネットサーフィンしてたら、突然、福祉の神様がスマホから出てきて「こうやりゃイイーンじゃ」って一枚の紙を渡してくれました。

という訳で、まずは神様が提案しくれた、この図表をご覧ください。


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どうでしょう?

「無謀だよー」と思うでしょうか、「面白い!」と思うでしょうか。

自分は最初見たとき、よく分かりませんでした。汗

よく分かりませんでしたが、途中からバージョンアップがされて、徐々に理解できるようになりました。まだ改善されているようです。

本来なら政府が全部責任持って、福祉職をマルッともれなく公務員にでもすれば問題解決なんですが、現実的ではないことは理解できます。

どっかの政党がマニフェストで言っていた気もしますが、いつ実現になるかは分かりません。

そこでです。

政府が不甲斐ないなら、自分らでやっちゃおうかなと、そんな仕組みです。

薄く広く、他業種の人たちから税金のようにお金を集め(別にお金じゃなくてもいいけど)、薄く広く福祉職にバラまくといった感じです。

 

「そんな訳わからないものに、一体誰がお金払うんだ?」って、多分、普通の人は思います。でも案外、簡単に集まるんじゃないかとも私は考えています。

その根拠を次、順を追って説明いたします。

タレントとクラファンは相性が悪い?

2019年の夏、多くのお笑い芸人が、反社会的組織と関係があったとか無かったとか、そんなことが問題になって、謹慎生活を強いられていました。

その間、何もやることがないからなのか、ゴミ拾いや、介護施設なんかでボランティアを行っていたそうです。

恐らく、事件自体は数ヶ月もしないうちに忘れ去られ、対象となった芸人達もシレッと、何事もなかったかのように元の生活に戻るでしょう。

また、この事件以前にも、よく有名人なんかが薬物や暴力などで事件を起こし、更正しているアピールなのか分かりませんが、どこかの福祉施設で働いていたとの話もあります。

これは一体何をやっているかというと、芸能人なんて所詮は水商売、人気や信用が無くなったら誰も相手にしてくれない。

そこで、失った信用を福祉施設で働くことで、一度失った社会的な信用、良いイメージを再び獲得しようとしてるのです。(その程度の奉仕で獲得できるかは知らん)

 

一方、ここ数年、クラウドファンディンクといったお金の集め方が注目を浴びています。

計画が上手くいった時のリターンや、面白い企画、信用なんかを担保に、一般の人からちょっとずつお金を集める仕組みのことです。

芸能人で一番、クラウドファンディンクで資金調達しているキングコングの西野氏は、「実はタレントとクラウドファンディングは相性がよくない、ほとんどは失敗してる」といった主旨のことを、ブログで書いていました。

”知名度””人気”は違うそうです。

つまりそれは、ほとんどタレントは知名度は高いかもしれないが、信用が低く、テレビで嘘ばかり言って、「そんな奴のために誰が金を出すかッ! ボゲッ、カスッ、死ね!!」って思われていて(言い過ぎ)、一般の人は支援しないそうです。

当然な気がします。

タレントは社会的信用が低い。もっと言えば、本当にお金に困っているかどうかすらも怪しい、、

ん?

では、社会的信用が高く、かつお金に困っている人々。そういう人々がクラウドファンディンクすれば、案外、簡単にお金が集まるんじゃないか?

 

そうです。我々、福祉職です。

上手くいくかはどうかは福祉職の信用量

そういった経緯で、この構想が生まれました。

ポイントは、社会に対するこれまでの福祉職の信用量です。これがどれほどかによって、集まるお金、もしくは集まりやすさが違ってきそうな気がします。

あとは知名度の問題で、まぁそこが難しいのかもしれませんが、世の中の人がこの構想、妄想?の実現に向けた活動なんかを、SNSや口コミで拡散してくれれば、徐々に広まるんじゃないでしょうか。

福祉業界の人はタダで支給される訳だし、それ以外の人は、社会を良くするための投資、もしくは将来に対する不安をちょっとでも軽減できるって思ってくれるなら、喜んで支援してくれると思います。

 

もしこの取り組みが始動したなら、あなたも1口、いやいや100口ぐらいでも、乗ってみてはいかがでしょうか?

以上、おわり。

【体験談】ノルウェー疥癬って知ってます? | うちの施設であったダニ騒動

疥癬のダニ画像

こんにちは、介護福祉士のまちかです。

皆さんは疥癬(かいせん)を知っていますでしょうか。

海鮮? カイセン?

何それ美味しいの?

ってか何て読むの?

そんな人は、まずはこちらをどうぞ。

疥癬とは? 皮膚科Q&A

知ってる人は目次からで大丈夫です。早い話がダニに寄生されあちこち痒くなっちゃう状態です。

「公益社団法人 日本皮膚科学会」様はこう仰っております。

疥癬は「ヒゼンダニ」という小さなダニが人の皮膚に寄生しておこる皮膚の病気で、人から人へうつります。この病気には「通常疥癬」と呼ばれるものと、感染する力が非常に強い「角化型疥癬」と呼ばれる2つの種類のタイプがあります。


このブログを読んでくださる方々は、ほとんどが介護か医療の関係者だと思いますので、感染症研修を受けた人ならある程度はご存知だと思います。

戦後の衛生状態が悪い時ならいざ知らず、この令和の時代になっても、まだ行くところに行けば人に危害を及ぼすダニはいます。

というか、介護施設が増え高齢者が集団で暮らすようになったせいで、むしろ復活してきているらしいです。

今回は私が経験した疥癬騒動、それも角化型疥癬(痂皮型とか、重症型とか、ノルウェー疥癬とか呼ばれてるヤベーやつ)の体験談です。

最初の感染ルートは病院から

当たり前ですがウチの施設の場合、最初は全員大丈夫でした。

ある日、1人の認知症持ちの入居者さんが、肺炎か何かで数週間ほど入院したのが始まりです。

病院でどういった暮らしをしていたのかは知りませんが、帰ってきてからやけに体中を掻きむしるようになっていました。

日常的に高齢者を相手にしている人なら分かると思いますが、大抵の場合、認知症者が体を掻いていても、老人性の乾燥か、もしくは湿疹ぐらいにしか受け取らないと思います。

当時は、定期的に来ていた訪問診療の先生も含め、疥癬の知識はあったとしても実際の経験など誰も持ち合わせておりませんでした。

そのために、事態の深刻さに気づいた時にはかなり手遅れだったのです。

感染ルートはざっとこんな感じです。

①退院してきた入居者

→②日々のケアをする介護士たち

 →③他の入居者(ここで疥癬が更に悪化)

  →④何も知らない介護士(私も含む)

 

間に重症型の入居者を挟んだのが、広まった一番の原因です。

ここで注意して欲しいのが「通常疥癬」だけなら、集団感染は引き起こさなかった点です。

普通の免疫力があれば、何もしなくても治ると往診の先生には言われました。ダニ数匹程度ならそうでしょう。ペットなど飼っていれば、ノミやダニはお友達です。

むしろ、抵抗力を鍛えるのにはいいぐらいでしょう(オイオイ) 

ですが高齢者の場合、逆に悪化させたりもします。

ダニに気づくまでタイムラグがある

参考文献によってまちまちですが、ヒゼンダニの寿命は約2ヶ月未満。その間に交尾をして卵を1日2~3個づつ産み続け、疥癬トンネルという住むための空洞を、人体の柔らかい部分を選んで掘り進みます。

そのため、人から人に寄生してもすぐ痒くはなりません。注意したいのは潜伏期間のせいで、更に他の人にも移してしまうところです。

痒みの原因は、虫喰われというよりもフンや死骸などのアレルギー反応だそうです。

 

私の場合、最初は二の腕の内側に痒みを覚え、気づくと赤い点々が2~3個ありました。虫刺されかなと思い、何もせず生活をしていたのですが一向に良くはなりません。

それどころか次第に、掻く手はお腹や股、内ももなんかにも伸びていきました。今考えれば時を同じく、同僚も似たような訴えをしていました。

多分ユニフォームが半袖なため、柔らかい所として二の腕が最初だったのでしょう。

 

まだこの時点では、個人個人が「何かおかしいな」とは思っていても、まさか集団感染しているなどと微塵も頭にはありませんした。

感染している人も日常生活を送っていましたし、全介助で移乗する際は相当密着していたと思います。

そして数ヶ月が過ぎ、気づいた時にはパンデミックです。人々の身体で次々と卵が孵化し、取り返しの付かないことになっていきました。

疥癬の診断は誤診が多い!?

普通の高齢者施設では、訪問診療の先生が何もなくても、定期的に診に来てくれると思います。

私の所ではそれとは別に、皮膚科の先生が月1回、褥瘡や巻き爪の処置で対応に来てくれていました。その際、数人の入居者と職員の状態を診てもらったのです。

 

そう、診てもらったのです。

ですが、通常、疥癬の診察は赤くポツポツと発疹が出ている部分を切除して、それを顕微鏡で視て診断します。

その皮膚に卵や抜け殻、ダニそのものが生息していたら確実なんですが、大抵の場合はもう移動していて、見つけられないことが多いのです。

誤解を恐れず書くなら、普通の皮膚科に受診しても、一発で見つけるのは困難でしょう。これは先生がポンコツと言うよりも、単に疥癬に対する臨床経験が少ないのが原因だと考えます。

高齢者に対して往診をやっている皮膚科の先生でもない限り、症例が少な過ぎて正しく診断できないんだと思います。

 

私の施設でも、結局その場では顕微鏡も検査セットもなかったため「疥癬かもしれない」ぐらいの診断しかおりませんでした。

後日、先生の診療所に行ける人は通院して、行けない人は顕微鏡カメラ&タブレットPCが一緒になった医療機器(ダーモスコピー検査)で、診察を受けていました。

ただ、実際にヒゼンダニが見つかった人は数人程度で、ほとんどは痒みの訴えはあるものの診察では見つけられませんでした。

 

それでも予防も含め、怪しいと思われる入居者と、希望する介護職員には全員、痒み止めの「オイラックス軟膏」と特効薬のイベルメクチン「商品名:ストロメクトール」が処方されたのでした。

重症型疥癬は「キングスライム」

通常疥癬は上記の対応で済んだのですが、角化型疥癬(ノルウェー疥癬)はそうはいきません。

というかここからが本題です。

ネットを見回しても、ノルウェー疥癬の対応方法は結構ありましたが、実際の体験談は見つけられなかったのでココが初めてかもです。

普通の疥癬と比べ、ヒゼンダニの量は数十万倍。免疫力が落ちてたり、お風呂入らなかったり、あとは治療方法が間違ってたりしてスライムがボス化します。

我が施設も、このキングスライムがいたお陰で集団感染してしまったのです。

以下、感染した入居者の情報です。

要介護5

90歳(年相応の認知症状アリ)

声がけに対し、簡単な会話は可能

ほぼ寝たきり、座位保持は困難

既往歴、悪性リンパ腫、骨粗鬆症

    右大腿骨 転子部骨折

 

具体的な対応方法としては、部屋での完全隔離。食事は3食とも配膳し、出入りする職員も限定。入退室する時は、ビニール性の使い捨て防護服を着用します。

更には毎日シャワー浴を行い、硬くボロボロになった皮膚をはぎ取る作業をしました。

部屋でストレッチャーに寝てもらい、浴室へ運び、介助者二人で全身をガシガシとブラシで洗います。

その後、処方してもらった軟膏を全身に塗り、残った角質がこぼれ落ちないよう服を着てもらいました。脱ぎ着がしやすいよう浴衣がベストです。

このとき思ったのが、体はゾウの皮膚のように厚くなっていたのに、不思議と顔だけは何ともなかった点です。(既に常在菌の顔ダニが生息しているせい?)

 

一方、掃除係は寝ていたベッドを

シーツ交換→床清掃→熱湯消毒

の順番でダニを抹殺します。戻って来たときに再び感染しないよう、クリーンな状態を用意しておかなければ無限ループが続きます。

また、我々もダニをもらわないよう、掃除や洗身の時は防護服を着たまま対応します。

浴室で、ガシガシとやって落ちた角質にも大量のダニがいるので、他の入居者に感染させないよう、全ての入浴が終わった後に行わなければなりません。

 

最初の数回は、往診で来ていた皮膚科の先生自ら、Tシャツ&短パンにまでなって率先し、入浴介助の指導に当たっていました。

当時、既に軽く60歳は越えていた方でしたが、治療方針を間違えて悪化させた罪滅ぼしか、単に貴重な症例だからかは判りませんが、それはそれは熱心にブラシをかけていました。

その後は、主任や施設所属のナース、男性職員など、とても未来ある若者には任せられない作業だったので、仕方なくベテランだけでローテーションを組み、一ヶ月ほどで収束したのでした。

 

 

以上、うちの施設であったダニ騒動のお話でした。

今後、高齢者施設は増えていくので、皆さんのすぐ後ろにも、ダニの魔の手は迫ってきているかもしれません。これを参考に、役立てていただければと思います。

おわり

【告白】私が起こしてきた介護事故と、懺悔と、その再発防止

交通事故の車

こんにちは、介護福祉士のまちかです。

夏になり、新人さんらもそろそろ現場に慣れてきた頃ではないでしょうか。

そんな折、特に気をつけたいのが介護の事故。

新人に限らずですけど、慣れてくるとケアの一つひとつが、惰性とまでは言いませんが特段の注意を払わなくても体が自然に動いて、まるで小人さんがやってくれたのかのように勝手に出来てしまうものです。

飲み込みの早い優秀な人ほど、効率重視で流れ作業的に仕事をしがちです。それで上手く回って行けばいいんでしょうが、事故やクレームなどには注意していただきたい。

介護は言わずもがな、人の命を預かる仕事です。

 

今回は、私が過去に起こしてきた介護事故のいくつかを、恥を忍んでご紹介したいと思います。皆さんには、それを見て笑ってバカにして参考にして、今後のために役立ててもらいたいです。

 

それでは行ってみましょう、題して「俺の屍を越えてゆけ」介護版。(いや決して、誰も死んではいませんが気持ち的に)

家族の目の前で入居者を落とす事件

入社して一週間目のことです。

当時、未経験として入社していた私は、「とにかく人がいないから」とすぐに現場投入され、不安ながらも一人立ちさせられていました。

その日、館内を歩いていると、入居者の家族らしきご婦人から「旦那が横になりたいから移してくれ」と頼まれ、一緒に部屋へ行き、車イスからの移乗を行いました。

多分、人生で初めてか二度目ぐらいの移乗だったと思います。

この時点で、誰か先輩職員でも呼べば大事にはならなかったんでしょうが、当時の私には、正直、高齢者をベッドに移す作業が、それほど技術のいる行為だとは思っていませんでした。(今でも介護を知らない人は、そう思っているはず)

一人で行い、案の定失敗しました。入居者の男性と一緒に、床に転がってしまったのです。

ご婦人がケアコールを押してくれ、先輩職員を呼んでもらい、無様な状態を披露してしまったのでした。

 

後から知ったのですが、入居者の男性は多発性脳梗塞の既往歴があり、左麻痺、要介護度は4程度。移乗は全介助がベスト対応だったそうですが、ケアの統一はされておらず、現場介護士も各自が自由なやり方で行っていたようです。

よくよく考えてみれば、もしつかまり立ちが充分に出来て、手を添える程度の介助で事足りるのであれば、ご婦人もわざわざ介護士を呼んだりはしません。

自分が「何が出来て、何が出来ない」かすらも分からない状態。

そんな介護士に一か八かの介助をやらせるなど、本来はあってはならない状態なのですが、私も含め、教える職員自体も当時は介護経験がそれほどあった訳ではなく、ただ上司から言われたことを新人にも行っていたのだと思います。

 

最初の一週間、確かに先輩職員に付いてケアを見て回りはしますが、一度見ただけで完璧に出来る人など、どれほどいるでしょうか?

当時の現場の雰囲気としては、「忙しくて人がいない中、一週間も先輩に付いて回ったんだからもう覚えたでしょ」的なところも、確かにあったと思います。

数ヵ月が経ってからですが、徐々にOJT制度が確立していき、今では一定のレベルまで先輩が教えるようになっていきました。

使用済みパッドが甘くて美味しい事件

夜勤をしていた時のことです。

深夜0時、私は各部屋のおむつ交換をしていました。一人の入居者を終え、次の入居者といった具合に、交換したおむつ・パッド類を各部屋の前に置いて回っていました。

全部の部屋でおむつ交換をする訳ではありませんが、それでも巡視も含め、グルッとフロアを一周するのに約一時間ぐらいはかかるでしょうか。

最後にまとめてゴミを捨てるため、廊下には点々と丸めたおむつ、新聞紙、ビニール袋などが置いてありました。全ての交換が終わり、始めに行ったおむつ類のゴミを集めようとした瞬間、一つ無いことに気が付きました。

別のフロアでも同僚が同じ作業をしていたので、早く仕事が終わり、気を利かせて持って行った可能性も無くはないんですが、、、事実は壮絶なほど違っていました。

 

入居者が部屋から這い出てきて、 自身のパッドをむさぼり食べていたのです。

おそらく、おむつ交換した際に目が覚めてしまい、空腹に思ったのでしょう。糖尿を患っていた入居者だったこともあり、食事制限認知症も相まっての悲劇です。

自身の尿を吸ったパッドが、よっぽどご馳走に見えたのだと思います。確かに甘かったのだと思います。中身がむき出しになったポリマーは、尿と唾液でグズグズになっていて、入居者の口や鼻にまとわり付いていました。

最悪、窒息の恐れもあるなと感じました。

すぐに手でグズグズになったポリマーを口から掻き出して、近くにあったタオルで見える範囲を拭き取ります。その後、ナース室から吸引機を持ってきて、何とか詰まらない程度に取り除きました。

自身の尿を食べる姿は、今も脳裏に焼き付いています。

幸い、その後は何もなかったかのように寝ていました。結局大事にならずに済みましたが、それ以降、その入居者の使用済みパッドは、手の届く所に置かないよう再発防止が取られたのでした。

爪と一緒に指まで切ってしまう事件

要介護5の入居者。胃ろう状態で、全てに置いて全介助。自発的に動いたり声を出したりすることもない人の入浴介助の話です。

当時、私は夜勤明け、当日欠勤者が出たため残業で数時間だけですが、同僚のケアを手伝っていた時のことです。

今なら、もうこの時点で既におかしい、なりふり構わず断って帰る、といった行動にも出られますが、あの頃は日常的に夜勤明けの職員も現場を手伝っていました。

もっと言えば、それが現場ためだとさえ勘違いして手伝っていた節もありました。

 

入浴後の、軟らかくなった爪を、パチン、パチンとやっていた時、悲劇は起こります。手元が狂ったのか、前日の夜勤の疲れが急に出てきたせいか、もう当時の詳細は覚えていませんが、最後に足の小指を切った時です。

指の先端まで切ってしまいました。

 

流石に要介護5とはいえ、かなり痛かっのか、それまで無反応だった入居者もビクッと大きく揺れ、「オオオアァァ」と声にならない声を上げていました。

後にも先にも、この方の声を聞いたのはこの瞬間だけです。

すぐに看護師を呼び、ガーゼと軟膏で処置をしてもらいましたが、お風呂上がりで血行が良くなっているせいか、出血が止まらない止まらない。患部はそれど大きくはないのですが、止血するまで押さえていた時間が永遠にも思えました。

 

一度引き受けてしまった以上、「夜勤明けだから仕方ない」は言い訳です。周囲の目など気にせず、思い切って帰るべきだったのです。

それ以降、私は欠勤者が出ようが、入居者の入浴回数が減ろうが、お構いなしに自分の仕事が終われば帰ります。

もちろん後ろ髪を引かれる思いはありますが、人員管理の出来ない経営の責任と考え、夜勤明けなどには絶対に働きませんし、体調が悪ければ気兼ねなく休みます。

無理に働いて介護士の寿命を削るより、自らコントロールしたほうが最終的には高齢者のために長く貢献できるとは思いませんか?

 

今の事業所では、夜勤明けで入浴介助や掃除等をやらせる機会など滅多に無くなりましたが、まだまだ現場に無理を強いらなければ回らない所は多いと考えます。

優しい介護士ほど自己犠牲をして、最後には身を滅ぼす。燃え尽き症候群にならないよう、セルフコントロールを意識しながら介護士としての人生を送っていきたいものです。

事故報告書は反省文ではない

常識的な事業所であれば、普通は転倒などがあった際、事故報告書を記入すると思います。また、事業所も「介護保険事業者事故報告書」ってのを市町村に提出しているはずです。

ちなみに、行政に届けられている事故報告は、8割が転倒や転落などについてらしいです。

実際に働いて思うのが、事故レベルも何段階かあって、例えば薬を落としたり、入居者が他の人の部屋に入ったりなどは、日常茶飯事で「ヒヤリ・ハット」で済ませ、いちいち行政には報告していないんじゃないでしょうか。

  1. 連絡用メモ
  2. ヒヤリ・ハット
  3. 事後報告書

現場の人間が日常的に書くのは、以上の3点だと思います。

各用紙の記入項目やどこで線を引くかなどは、事業所によって違うとは思いますが、厳しくしたところで負担になるだけです。私は適当なところで手を打ち、現場が上手く回るように采配を振るのも、管理者の務めだと考えます。

 

あと、よくやりがちなのが報告書に「申しわけない」とか、「以後、気をつけます」といった謝罪の気持ち書く人がいますが、本当にそれは止めていただきたい。

気持ちは分かりますが、必要なのは今後起きないようにするにはどうしたらいいか?

この一点のみです。

 

別に罰ゲームで報告書を書くのではありません。あなたが事故を起こすということは、他の人も同様に起こす可能性があった訳で、それを今後やらないようにするには、どうしたらいいか?

もう一度言います、この一点のみでお願いします。

当事者であるあなたが一番詳しいはずなので、入居者・利用者の状況、それらの詳細を5W1Hで記入だけすれば充分です。気持ちなど、むしろ読んでいて余計です。

 

 

とまあ、これらが私の事故報告です。

別に事故を起こさなくても、自分が見つけたせいで書かなくちゃいけない、といったケースも多いと思います。ほとんどは、通常業務が終わった後に居残って、皆さん慣れない報告書を書いてくれています。

事業所としても、そういったトライ&エラーの記録は財産になりますので、しっかりと残業代を払い、情報収集をして、今後に役立てていってほしいものです。

以上、おわり。

【未経験者必見】介護業界で働く前に準備するモノ

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こんにちは、介護福祉士のまちかです!

 

ここでは介護業界で働くにあたって、まず必要なモノを紹介していきたいと思います。

未経験者が何の準備や予備知識もなく、ただふらっとこの業界に足を踏み入れたなら、間違いなく途中で挫折して、泣いて帰ります。笑

あなたも介護に興味があり、このサイトにたどり着いたのなら、噂ぐらいは聞いたことがあるでしょう?

 

給料が安いとか、

ウンコを処理しなくちゃいけないとか、

腰痛に悩まされるとか、

人間関係が最悪だとか、

虐待があるとか、

 

どこまで本当かどうかはさて置き、取り合えずこれだけあれば仕事をやる分には大丈夫ってモノをご紹介いたします。

 一つひとつ見ていきましょう。

1、資格

はい、まずこれがないと始まりません。

地方など探せば、福祉・医療の資格がなくとも働かせてくれる所もないことはないんでしょうが、このご時世、無資格者を雇っている事業所なんて100%間違いなく相当のブラック企業です。

そんな所で働いても長いこと持ちません。断言します。

 

良い子の皆さんは採用条件の資格の欄に、ちゃんと「介護職員 初任者研修」か「ホームヘルパー2級」と書いている事業所に申し込んで下さい。

 (介護職員 初任者研修は、数年前まではホームヘルパー2級と呼ばれてました)

 

介護業界での最初の資格「介護職員 初任者研修」は130時間の研修で取ることが可能です。

パッとみ、大変そうかなって思いますが、がっつり通えば1ヶ月もかからずに、週2日だけの通学でも2ヶ月程度で習得が可能です。

 

下のリンクの学校「カイゴジョブアカデミー」では、なんと学費を肩代わりしてくれます。卒業後、紹介された施設で働くと、そこが学費を払ってくれるといった仕組みです。

それだけ人がいないってことです。

東証一部上場の企業が運営しているので、そこいらの野良スクールよりは信頼できるのではないでしょうか。

さらに本格的に勉強したい人は「介護福祉士」の専門学校があります。

ただしこちらは、いきなり国家資格を取ることになるので、習得まで早くても2年かかります。このサイトを読んでくださっている方は、すぐにでも働きたいって人が多いと思いますので、まずは「介護職員 初任者研修」を取って、ゆくゆく「介護福祉士」にステップアップするのが王道だと思います。

2、体力

もしくは、健康とも言い換えれます。

未経験の人、特に主婦や、中高年の世代には「自信がない、、」といった声も多いかと思います。まあ確かに、体力があるに越したことはないんですが、介護の世界には様々な働き口があります。

  • 特別養護老人ホーム
  • 訪問入浴
  • 訪問介護(身体介護)

 

こういった施設やサービスは、確かに体力が必要で、若いお兄ちゃんが持てはやされる傾向があります。

体重のある入居者や、重い入浴用の機材を運んだり、または夜勤業務など長時間労働のため体調管理が必要だったりします。

しかし一方で、

  • デイサービス
  • グループホーム
  • 訪問介護(生活支援)

 

といった施設やサービスは、必ずしも体力だけが重要とは言えないお仕事です。

レクリエーションが中心だったり、入居者と料理や掃除を一緒にしたりするのが主な内容だっりします。

実際、介護求人の中ではデイサービスが一番人気らしいです。未経験者が、まず最初に介護をやろうとしたとき、取っ付きやすいと思うのでしょう。

 

あと、訪問介護の中の生活支援は、料理を作ったり買い物をしたり、洗濯をしたりなど正に家事の代行です。主婦などが普段行っている家事の延長線と考えれば、そこまで抵抗は感じないのではないでしょうか。

ただ最近は、生活支援だけやらせてくれる介護サービスの事業所は少なく、身体介護とセットで仕事を頼まれるのがほとんどのようです。

3、心がまえ

とはいえ、介護の世界。

どこに行っても、どこで働いても、悩みやストレス、そしてウンコは付き物です。

キツい、汚い、危険、の3Kは当然のこととして(涙)さらには給料が安い、派閥がある、入居者から暴力や暴言を受ける、普段来ない家族がクレームを言う、年下の先輩がちゃんと教えてくれない、現場を知らない上司が無茶苦茶な指示を出してくる、経験年数はあるが介護技術の乏しいプライドだけが高いお局職員の意見を聞かないとロクにケアができない、などなど、、、

 

普通にあると思います!

何だか介護そのものよりも、個人的な職場の人間関係の愚痴になってしまいましたが、、

ともかく、あなたがこれから働こうとしている職場は、あまり環境はよろしくないけれども、結構ほとんど、どの現場に行ってもそんな感じで、さらにはそんな程度の低い連中はどこにもいるってことです。

そしてみんな毎日ストレスにさらされながら、それでも何とか現場を回していこうと悩んで、ご飯を自分で食べられない人や、排泄ができない人の手助けを、日々やっているってことです。

 

介護ってそんな仕事です。

それを大変な仕事と思うか、尊い仕事と思うかは皆さん次第ですが、少なくとも現状はこんなです。

4、最後に

いかがでしたか。

なんとなく、なぜ介護の現場が離職率が高く、どこも人手不足なのか分かりましたでしょうか?

 

働く前に準備しなきゃならない物として、3つ上げさせてもらいましたが「想定の範囲内、これぐらいならできそう」って人は才能アリです。

すぐに行動してください。待ってます。

 

「ムリ」って人は代わりにお金を払ってください。

あなたや、あなたの親のために人生を捧げて介護します。文句言わず、高いお金を払ってください。

以上です。終わりです。

ありがとうございました。

介護職は罰ゲームなのか? | 損保ジャパン、余った従業員を介護士に

空を見上げる老人

今週、このようなニュースが流れました。

損保ジャパン 4000人削減→ 介護に配置転換 - Togetter

これを受け、我らが介護業界の面々は「介護はリストラの受け皿じゃない!」と怒り、一方で、コンサルタント関係からは「なるほど!上手いリストラ方法があったもんだ」と賛否両論の声がTwitterやSNSなどで聞かれました。

 

今回はあまり面白くない、ニュース解説的な記事です(笑)

 

そもそも損保ジャパンってなにさ?

損害保険ジャパン日本興亜とは、日本三大メガ損保の一つ。保険業を主軸に、数年前からは積極的に介護事業にも手を伸ばし、現在ではニチイ学館に次ぐ介護業界 第2位になった超大手のグループ企業です。

 

旧メッセージ、旧ワタミの介護、旧ジャパンケアサービスなど、虐待や殺人事件、訴訟問題のような不祥事で世間を賑わせ、企業継続が難しくなった会社を丸ごと買い取った経緯があります。

現在ではSOMPOホールディングス株式会社の介護事業部門、「SOMPOケア」がそれらイワクツキの施設を一手に引き受け、現在も運営を続けています。

 

四季報2019版によれば、グループ会社のスペックは以下の通りです。

「SOMPOホールディングス株式会社」

東証一部 証券コード8630

連結子会社 49387人

平均年齢 43.4才

平均年収 1152万円

 

5万人も社員を抱える大会社で、その内の4000人が介護事業のほうに移転してくる予定らしいですが、まあ出向や移動の辞令をもらっても、半分以上の社員は「介護とかって無理!」とか言って辞めちゃうんじゃないでしょうか。

私の勤めている会社ですら、介護を本業としているのに、本部の背広組は介護をやりたがらない始末ですから(怒)

保険だけでなく、銀行、証券など、金融はもう

ご存知でしょうが、日本の会社は米国とは違い、 ITで効率化したため雇用者がいらなくなったからといって簡単にクビにはできません。

辞めないまでも別会社に移動すれば、給料水準などは出向先に合わせられますし、年収1000万円ブンも働いてないとみなされた社員は、軒並み介護に回されちゃうでしょう。

御愁傷様です。ザマァです。

そしてようこそ最果ての地へ、です。

 

おそらくこの流れは続き、今後も金融関係を中心に増えてくるでしょう。そもそも金融は他の業界に寄生して利益を上げてるくせに、昔から給料水準が高過ぎるんです。

今回のケースほど露骨ではないにしろ、ITを活用した人員削減の方針は既に東京三菱UFJも発表してますし、以前にも大和証券が介護会社を買収したとのニュースが出ていました。

水面下では着々と、合法的なリストラが進んでいることでしょう。

 

今後、フィンテックやブロックチェーン技術などが本格化すれば、一部の技術者以外は定年を待たずにお払い箱になることは必至です。

一見して介護とは何の関係もないような他業種が、なぜ介護に手を出すのか?

慈善事業だけで買収していない、カラクリの正体がこれでした。

介護が罰ゲームだと思われているようでは

ただし、そういった経緯で介護業界へ人材が流入したからといって、実際の職場環境や人材不足が解決するかどうかは別の話だと思います。

業界歴が長い人は覚えているかと思いますが、2000年代終盤に建設業が大量に参入してきた時期がありました。これは国が公共事業を縮小させたため、仕事のなくなった建設業に介護をやらせようといった政府の方針からです。

介護事業に参入し、特養など箱モノを作るのに行政が助成金を出していました。

 

その結果はどうでしょうか?

人材不足や雇用環境、介護職員の処遇は改善しましたでしょうか?

確かに施設系は一時期より増えたかもしれません。ですが人材不足は改善されず、今ではオープンしても空き部屋が目立つ施設が多くなってしまいました。

 

結局、介護が罰ゲームのような仕事だと世間から思われている状態では、 働く者にとってはいつまで経っても不遇の時代は続くのです。

 

じゃあ、一体どうしたら良いのか?

介護職をしていれば最低限、介護福祉士の資格は取る。介護保険の上に成り立っている仕事なのだから、出来ればケアマネ資格にも挑戦してみる。

そして介護保険サービスに留まらず、得意なことがあれば+α、利用者に役立つサービスをしていき介護を軸として領域を広げていくのです。

 

そうやって一つひとつ出来ることから、外部や上部に対してアプローチして、介護の社会的地位を上げてゆくしかないと思います。

さいごに

昔から介護業界は不景気になると人材が集まり、景気が良くなると人が去っていく業界と言われてきました。

私もリーマンショックの余波でこの介護に足を踏み入れてしまったくちなので、誰よりも理解はしています。

 

業界のイメージを一新するため、「任侠ヘルパー」のようにジャニーズ系の俳優が定期的にドラマなんかやれば、案外、簡単に改革できるんじゃないかと考えています。

後輩を教えていて思うのは、最近の若い子は必ずしも「金銭的な報酬が第一」と、考える子ばかりではないといったことです。

素直で、純粋に人のためになる仕事をしたいと、立派な志しを持った若者も多いです。

彼ら彼女らを落胆させないよう、既にこの道を歩いている皆さんで希望ある業界にしていきたいものです。

 

以上、おわり。